あなたといたい。(21。〜 )

□27。(H無し√)
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 今朝の彼女は早起きだった。オレが起きた時には朝の仕度がほとんど出来ていた。

「なまえ、おはよう。今朝は早起きだな」
「ん、何か気持ち悪い夢で目が覚めたの」
「どんな?」
「んー起きた途端に忘れた。ねぇ今朝、ご飯にしたけどパンのが良かった?」
 聞きながらキッチンから顔を出す。

「いや、ごはんで良いよ」
「そう。なら良かった。今持ってくから座っててね」
 笑顔で行ってキッチンに戻り温かいご飯と味噌汁をよそい、運んで来てくれた。

「はい、どうぞ」
 受け取り、礼を言う。
 魚、卵焼き、ひじき、昨晩の里芋のそぼろ煮、漬物、鰹節が掛かったほうれん草のおひたし。それに、ワカメと豆腐の味噌汁とご飯。

「旨そうだな。ありがとう」
「いえいえ、起きられた時だけでごめん、ね」
 ちょっと困った顔をして申し訳なさそうに首を竦めた。

「いいよ。気楽にやれ。オレはお前の家族だろ。そんなに気、使うなよ。それに、お料理男子としては、少しはやらせてもらわねーとな。ふふ。さ、食べよう」
 オレの言葉に嬉しそうな顔になった彼女と『いただきます』をして食べ始める。

「おっ、煮物。一晩経ったら味染みて旨くなってるな」
「ん、残り物もなかなかイケる。久しぶりにTVつける?」
 彼女がTVをつける。最近ではなんだかうるさく感じ疲れると、ニュースはネットや新聞でチェックする事にして、朝は専ら音楽にしてた。
予定のない休日にCSで撮りためた海外ドラマやアニメなんかを見る位で我が家はTV離れ気味だった。

「へぇ。たまにはTVも見てみるもんだねぇ」
「ん?」
「ペアルックが流行ってるんだって」
「ああ、そう言えば見掛けるよな。何? ペアルックしたいのか?」
「んーでもぉきみみたいな格好良い人と僕じゃ。釣り合いが取れないよなぁ」
「はあ? 何、言ってんだよ。ペアならなまえとオレでやんないでどーすんだよ。他人としたらヘンだろが。それとも、別の男としてーのか?」
「ちょっと? 勝手に想像してヤキモチ妬かないよーに。だいたい他に誰とやんのさ」
「室長とか」
「あはは。そこで何で室長が出て来んの? パパと娘でお揃? なら、お義父さんともしないとなあ」
「オレより、父さんとペア着たいってか」
「何すねてんのー? ふふ。もー可愛いんだから。そりゃ着るなら、もちろん昴とでしょ。ただその素敵さと少しでもつり合うには、どうしたら良いのかなって話だよ。きみって、イケメン過ぎる旦那さまだもん」
 そう言いながら、上目遣いでオレを見る。

(ったく、朝から可愛い顔して煽るのは反則だろ。……今日、休みなら良かったのに)
「ん? 照れてる? うふふ。きみってほんと、可愛い。朝からキュンキュンしちゃう」
「お前、からかうと襲うよ?」
「からかってなーい。本気ー」
「だいたいなーなまえは、自分を知らな過ぎだ。オレよか、お前のがスゲーぞ。格好良いのから可愛いのまで何でもイケるだろ」
「昴、それはねぇー。きっと好き好きフィルターかかってるよ」
「んな事ねーって。それに、前だって*ペアルックしたじゃねーか」
「ああ。タータンチェック、お揃いにしたよね。ふふ……」
「ん?」
「思い出してた。結構、嬉し楽しで良かったなーって」
「じゃあさ、休日にペアコーデでデートするか」
「嬉しいけど。本当に何、着たら良いかな? っていうか、どこにいつ行くかでも変わって来るよね? 夜と昼でも、また違うし。どんなデートにする?」




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