short story

□そんなに嬉しいのか?
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そんなに嬉しいか?




そんなに嬉しいのかよ?




チョコレートなんかがっ!!




++




今日はバレンタインデー。乙女が悪魔と化す日だ。狙われる男子は…多々。
媚薬入りのチョコレートや恨んでいる相手に対し、変な薬を混ぜたチョコレート…。とても食べたくないものが多過ぎる。
そんな中物凄く暗い雰囲気の人物が…。




「翼先輩? そんなところで何どんよりしてるん?」




翼の可愛い可愛い後輩、佐倉蜜柑が翼の所へと駆けてきた。無邪気な彼女も今年で中学2年生。
あっというまの4年間だった。いつしか彼女のファンクラブまで出来るようになってしまっているとは…。
しかも彼女の彼氏はあの“日向棗”。…さすが蜜柑と言っていいところだろう。




「あのな、コレ翼先輩になんやけど…もらってくれる?」

「あ、ありがとな! ありがたくいただくぜ☆」

「お礼言うのはこっちや! もらってくれてありがとうなっ!」




可愛らしいラッピング。今年チョコをくれたるのはきっと彼女だけだろう…。
俺の周りには持てる奴らがたくさん。…おい、そこのやつ、俺の目の前でイチャつくな。スクワットさせられてぇのか?

少しイラつきながらも俺は追っ手の手から必死に逃れていた。(もちろん翼を恨む者の)




「ん?」




翼が隠れているところから2人の男女の様子が見えた。…まったく、のぞき見とははしたない…。
翼が目を凝らして見てみると…それはさっき自分にチョコを持ってきてくれた可愛い可愛い後輩ではないか。
ん? で、隣にいるのは…日向棗、蜜柑の彼氏…。かなり面倒な場面に出くわしたな…。




「はいっ、棗!」

「…」




蜜柑が差し出したのは…可愛くラッピングされたチョコレートらしき物体。
…イイナァ、イイナァ、ウラヤマシイナァ。…ってちょい待ち! 心の声出てくるな!!




「…サンキュ」




お礼言った――――――――――――――――――――――!!!
あの棗がお礼!? 蜜柑どんだけ((

しまった、静かにしてないと棗に気づかれる…。




そんな棗さん、俺に見せつけるかのように俺の可愛い可愛い後輩を抱きしめちゃってます。
…そんなにいいのか、彼女がいるってのは。




「ちょ、なつっ///」




恥ずかしがしながらも抵抗なしの蜜柑さん。…見てるのは辛いから、もう立ち去ろう。
そう決めてゆっくりとその場を離れる。




そのあと見つけたのは…案の定、殿。
全くどいつもこいつもイチャイチャしやがってぇ…(╬゚◥u◤゚)




影を操って木の上から石をばら撒いたのは誰にも言ってない。誰が言うもんか。
逆にいい君だって笑いたくなったぜww




そんなこんなで1日は終わり…夕方になった。

ああ、結局俺は蜜柑にしかチョコを貰えなかったな…。

そんなしんみりした感情に使っていると…。




「翼ー!」




美咲がこっちに向かって走ってくる。
ままままさか!!? これは、これは、この展開はもしかして…!




「コレ…」




美咲が差し出したのは可愛くラッピングされた箱。
美咲ったらもう焦らしてっ! でもそこが可愛いんだけど…




「これ、ルイって人から」




その瞬間、翼が殺戮衝動に駆られたのは誰もが分かるだろう…。









『リア充爆発しろ!! 死ね! バレンタインデーなんかっ!!!』










ドンマイ翼、ファイトッ! 翼!!
来年こそきっと美咲からもらえるはずだ!!




+END+
 

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