short story
□とある放課後。キャラ崩壊サーセン、な短編を詰めし込んでみた
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#01‐猫になりたい‐(オリキャラ登場)
「んーと…蜜柑はどこかなー?」
キョロキョロと辺りを見回しながら蜜柑を探すのは、第一印象が『犬』なイメージのあるこげ茶色の髪の少年だった。
日も暮れて、だんだん空が赤く染まり来る中、少年は笑顔でそこを駆け抜けていった。
そしてたどり着いたのは、いつも来ている公園だった。するとどこからか笑い声が聞こえる。
少年が辺りを見回すが、その声の主は少年の目の届くところにはいなかったようで、少年はため息をつくと、そのまま公園の中に入っていった。
少し進んだところで、また植え込みの木を見つけた。そして笑い声はその近くから聞こえてくる。
それに気づくと、少年はこっそり植え込みの木の後ろに隠れ、そっとその様子を覗いてみることにした。
視線の先には、綺麗な長い茶髪を揺らしながら猫と戯れる少女の姿、蜜柑だ。―――彼女が、珍しく笑っている―――。
「お前は可愛いなっ♪ ほら、マタタビいるか?」
どっから出した、そのマタタビ。…そんなことを思い、少年がこめかみを押さえる。この少女の怖いところはこれだ。
どこからともなく凶器や、もしくはマタタビや食料を彼女は取り出す。――それにしても、彼女がこんなに楽しそうに笑っているのは久々に見た。
―――あぁ…でも俺もあの猫になりたい。てか猫ぉぉ!! 撫でてもらえるなんて羨ましいぞコラぁ!!
仕方なく、少年はその場から離れた。しかし何故か少年の瞳は決意の色に満ちている。一体何を企んでいるのか…。
次の日、少年は猫のコスプレをして学校に来たそうだ。彼女に殴られたのは言うまでもない。
*