SILVER DANCE
□第13話
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「ではこれより、定例会議を始めます!」
生徒会室で、椿の司会で会議が始まった。
「いつもの様に、報告事項があればどうぞ」
「庶務の方からいい?」
道流が手を上げて言う。
「榛葉さん、どうぞ」
「教室の外でキャッチボールをしていたら、ボールを窓ガラスに当てて割ってしまったと謝りに来た生徒がいた。厳重注意をして、窓ガラスを取り替えたよ。以上」
「全く!教室の近くでキャッチボールなど、言語道断!!野球部の連中ですね!!」
「あ…、いや。スケット団なんだけど」
「何ですと!!また、アイツらか!!今から注意してきます!!」
「まあまあ」
怒る椿に、他の4人が同時に言った。
と、安形は何かを思い出し、手を上げた。
「あ、報告ならオレもあるぜ」
「会長が?」
「この前、生徒会室(ここ)に来る途中で、火の付いたマッチを花壇に落として、花を燃やした奴がいたから注意した」
「誰ですかソイツ!?」
「そういや、名乗らなかったな」
「名前は訊いて下さい!藤崎じゃないんですか!?赤いツノ帽子被った」
「いや、藤崎じゃねーよ。煙管持ってたし、紫の髪して、左目に包帯してたからな」
「それ高杉さんですよ!!」
予想外の人物に、椿は驚きながら叫ぶ。
「銀魂(あっち)で指名手配犯になってる人じゃないですか!!忘れちゃったんですか!?」
「ああ、そっか。物貰いになった伊達かと思ってた」
ちなみに、ダンテは高杉より身長が3p高い。
「しかし、何をしに来たんだ?その人は」
デージーは無表情のまま呟く。
「まさか、この学校を破壊しに!?決して、そのようなことはさせません!!」
相手が過激な攘夷志士でも、椿は果敢に立ち向かおうとする。
が、安形は意外な発言をした。
「確かな、『風が強くて落としちまった…』とか言ってたような…」
「は!?」
「煙管を吸おうとして、強風に煽られたようだな」
「外で吸うものではありませんね」
デージーと丹生は、普通に言った。
「そう言う問題じゃない!!何で学校でやろうとしてるんですか、あの人は!!」
「きっと、ビジュアル系バンドの歌詞を口にしてたから、やりたくなったんだろ」
「会長!!だから伊達じゃありませんから!!」
「それより椿くん。私からも報告がある」
「何だ?浅雛」
「校庭にある水道の蛇口が壊されたから、新しい蛇口と交換した」
「蛇口が壊された!?また藤崎か?それとも、高杉さんの仕業か!!」
「いや。私だ」
「何だそれ!?」
相変わらず無表情のまま、デージーは続けた。
「蛇口があまりにも堅かったからな。力任せにやったら壊れた」
「力任せで壊して取り替えるんじゃない!前にも似たようなことを言っただろう!!」
と、椿は椅子に座って、腕を組んで居眠りをしている安形に気付く。
「会長ぉーっ!!」