SILVER DANCE

□第13話
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「あ?終わったか?じゃあ、以上で終了。解散」

「真面目にやって下さい!!」

「ところで安形、明日のことはいいのかい?」

再び寝ようとする安形に、道流が声を掛けた。

「明日?明日何かあったっけ?」

「真選組の屯所へ、見学に行く日ですわ」

「先週、会長が言い出したんですよ。来週の土曜日に、真選組の仕事を見学しようって…」

「あれー?そうだったか?」

「おまえ、また気分でもの言っただろ!」

「KMI(気分でもの言うな)!」

「もうアポも取ってあるし、明日は全員参加だよ!」

「一応明日の確認をします。明日は制服で、午前10時に真選組の屯所に集合です!!」

椿は明日の予定を確認した。

(面倒くせーこと言っちまったなーオレ……)

自分の言い出したことに、今更ながら後悔する安形だった。


翌日。
現地集合の為、安形は真選組の屯所に向かっていた。
すぐ後ろには、妹のサーヤがいる。

「おい、サーヤ。おまえも一緒に見学行くか?」

「あんなムサい男だらけの所なんて行かないよ!今日は、ボッスン達と一緒に万事屋に行くんだから」

「あそこもムサい所だと思うけどな…」

曲がり角で、サーヤは立ち止まった。

「じゃあアタシ、こっちだから。見学、楽しんできてね」

「楽しめねーと思うけどな……」

別れたサーヤを見つめながら、安形はぼやいた。

ドカーン!!

「ん?」

遠くで爆発が起こり、そちらを見る。

「真選組だァァッ!!」

爆発した付近から、沖田の声が聞こえる。

(やっぱ、面倒くせーなァ…)

頭を掻きながら、安形は屯所に向かった。


「遅いですよ、会長」

屯所の前に行くと、他のメンバーは既に集まっていた。

「おお…、わりーわりー」

「あのさ、安形…。オレさっき、土方スペシャル食べてる土方さん見て、ちょっと気分悪いんだけど……」

道流は少し顔色が悪い。
それを見たデージーは、何かを思い出す。

「私も来る途中で、お妙さんにストーカーをして返り討ちにあっていた近藤さんを見た。異様に腹が立った」

無表情だが、デージーは機嫌が悪そうだ。

「屯所で近藤さんに会ったら、即、目潰しをしそうだ」

「あー、オレもさっき、沖田が街ぶっ壊してんの見た。…つー訳で、見学は中止ってことで」

「いけません!!」

中止にしようとする安形に、椿が透かさず遮る。

「如何なる理由があろうとも、今日は見学をします!ちゃんと、真選組の仕事振りを見ていきましょう!!」

「でも椿ちゃん、オレと安形とデージーちゃんは、仕事振りをもう見たような感じなんだけど…」

道流がやや控えめに言うと、安形も乗ってくる。

「そうだな。ストーカーに不摂生に街の破壊。どう見ても、一利も無い感じだったしな」

「うっ…」
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