SILVER DANCE
□第13話
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流石の椿も否定出来なかった。
「それでも見学すっか?」
「せ、せっかく来たんですから、見学していきましょう!!」
「やっぱり椿くんは、いつでも真面目だな」
「ほんとですわね」
屯所の出入り口にいる門番に、見学についてを話す椿を見て、デージーと丹生はそれぞれ言った。
「では、中に入りましょう!!」
中に入ると、近藤が出迎えた。
「おお!よく来たな、生徒会執行部の諸君!!」
近藤の後ろには、土方の姿があった。
「あれ?土方さん、何時の間に戻ったんだ?」
先程見たばかりの土方が、既に屯所におり、道流は不思議そうに見る。
「本日はよろしくお願いします!!」
「はっはっは。椿くんは相変わらず堅いな!」
頭を下げる椿を見て、近藤は笑って言った。
「今日は1日お願いします。…っと、おまえらも挨拶しとけ」
安形が言うと、後の3人もそれぞれ挨拶する。
「お願いします」
「1日、お願いします」
「YOSGS(よろしくお願いしますゴリラストーカー)」
「デージーちゃん!本当のことでも言っちゃ駄目!!」
道流は慌てて止めるが、手遅れだった。
「いきなりゴリラストーカーはないよね!?浅雛さん……」
近藤は落ち込みながらぼやいた。
「近藤さん、今日のスケジュール」
土方が小声で、今日の予定を言う。
「おお、そうだった。今日は見学の前に、真選組のイメージを上げるにはどうしたらいいか、君達から意見を貰おうと思ってたんだ!」
「イメージアップ…ですか?」
以前、アイドルである寺門通を呼んで、1日局長になってもらってイメージアップを図ったが、特に改善はなかった。
「君達ならではの発想を参考にしたいんだが……」
「それなら、土方さんや沖田のブロマイドを売るってのは?」
自信あり気に道流が言った。
「それで喜ぶのは、三次元だけだと思うが…」
「はい」
近藤がぼやくと、丹生が手を上げる。
「屯所を丸ごと、豪華絢爛仕様にするのはどうでしょう」
「そんな予算、真選組(うち)に無ェよ!!」
「切腹は物騒だから、目潰しと罵倒にした方がいい」
「それ、おまえの嗜好だろ!!」
かなりズレた案に、土方はツッコみまくる。
「あ、ボクからもいいですか?」
椿は手を上げて言った。
「おう、何だ?おまえなら、一番まともそうなことが出そうだな」
「局中法度に、『マガジン以外の漫画、局内で読むことなかれ』とありますが…」
「ああ。それがどうした?」
「『全ての漫画、局内で読むことなかれ』がいいと思います」
「椿くんらしい考えだな」
「あ!?何言ってんだ!マガジン読めなきゃ意味ねーだろ!!」
土方は透かさず食って掛かる。
少々大人気ない。
「け、警察なんですから、漫画は読まない方が……」