SILVER DANCE

□第13話
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「警察が漫画読んじゃいけねーって決まりは無ェ。その提案、却下な!!」

「ちなみに作者は、ジャンプとガンガンは外せないって言ってたわ」

突然現れたロマンが、話に加わる。

「何でいきなり早乙女が出てくるんだ!?もう何の話だったか分からなくなってきたぞ!!」

混乱しながら、椿は叫んだ。


それから数分後。

「…で、安形は何かあるか?」

「え!?」

何も訊かれないと思っていた安形は、突然土方に呼ばれ、少し驚く。

「あ〜もう面倒なんで、こいつらが言った案を全部採用ってことで」

「出来る訳ねーだろ!!全部採用したら、もう真選組じゃねーよ!!」

と、土方の携帯が鳴り、見てみる。
相手は沖田だった。

「総悟か。追ってた攘夷浪士共は捕まえたか」

『それがですね。奴ら、人質取ってビルに立てこもっちまってやす』

「立てこもりか…」

土方が呟くと、生徒会メンバーは反応する。

『ビルの従業員と、通りがかりのガキ人質に取って、テレビ中継やってます』

確認する為部屋に行き、土方はテレビをつける。
そこには、犯行グループと人質にされてみる者達が映っていた。

「ちっ…。面倒なことになったな……」

「安形、あれ!」

テレビを見た道流は指を差した。
映像には、従業員と共に、見覚えのある少女がいた。

「どうした!?」

「な……!?サーヤ!!」

土方が訊くと、安形は叫んだ。
人質の中に、サーヤの姿があったからだ。

「何でサーヤが人質に…!?」

「何故こんなことになったのでしょう…?」

デージーと丹生は、動揺しながら呟いた。

「サーヤは今日、藤崎達と万事屋に行くっつってた…」

(別れた後で巻き込まれたのか!?)

脳裏に、連れ去られるサーヤの姿がよぎった。

「くそっ!!」

安形は屯所を飛び出して行った。

「安形!?」

「会長!!」

「おい、どこ行く気だ!?」

止めようとするが、安形の姿は既になかった。

「あいつ、立てこもりになってるビルに向かったのか!?」

「きっとそうですよ!安形はサーヤちゃんのことになると、冷静でいられなくなるんです!!」

「それだけ、妹のことが心配だということか…」

道流が言うと、近藤は安形が走って行った方向を見つめる。

「近藤さん!関心してる場合じゃねェ!!一般人巻き込んだら、更に大事になるぞ!!」

土方は振り返り、椿達を見る。

「つー訳だ。見学はここで終了だ」

「君達は早く帰れ。安形くんは俺達が」

「いいえ、ボク達も行きます!!」

近藤の言葉を遮り、椿は言った。

「安形紗綾は、同じ開盟学園の生徒です。放っとく訳にはいきません!!」

「サーヤちゃんに何かあったら、それこそ、安形は立ち直れなくなる」

「会長が乗り込んだのなら、お供する」
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