SILVER DANCE

□第13話
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「犯行グループの方々に、おいくら程支払えば解決するのでしょうか?」

言い方はそれぞれだが、全員現場に向かおうとしている。

「……ミモリン。お金渡したら、解決どころか規模が大きくなるよ」

最後に、道流がぼそりとツッコんだ……。

「だから、君達は…」

「来てもいいが、現場には近付くな」

土方は煙草をくわえ、火を付ける。

「トシ!!」

「来るなっつっても、こいつらは絶対ェ来る。だったら、連れてった方が目も届くし、まだ安心だ」

「ありがとうございます!土方さん!!」

椿は頭を下げ、他の3人と外に出た。

「何かあったら、全責任はトシが持つんだぞ」

近藤は土方の肩を軽く叩き、一緒に出て行った。

「……え?」

取り残された土方は、咄嗟に言った成り行き上、全責任を負うことになってしまった。


パトカーで現場に行くと、野次馬と報道陣で一杯だった。

「安形!!」

道流は、ビルの周りを見ている安形を見つける。
だが、人混みに紛れ、見失ってしまう。

「すみません、ボク達はここで降ります!」

椿達はパトカーから降りると、野次馬に混ざっている万事屋メンバーとボッスンとヒメコを見つけた。

「藤崎!」

「椿!?」

「何で君達がここに?」

道流が訊くと、ヒメコが答えた。

「サーヤが何時まで経っても来んかったから、みんなで捜してたんや」

「そしたら、テレビでサーヤが人質になってるのを見たんだ」

「ところで笛吹は?」

この場に、スイッチの姿だけがなかった。

「モモカのライブや」

「ついさっきまで、僕もお通ちゃんのライブに行ってたんですけどね…」

「今は雑談をしている場合ではない!!安形紗綾と、従業員の人達を助けることだ!!」

ヒメコと新八の会話を中断させ、椿は叫ぶ。

「おい、総悟。状況はどうなってる?」

土方は、双眼鏡でビルを見ている沖田に訊いた。

「それがですね、山崎を裏口に向かわせたら、突然現れた安形が一緒について行きやしたぜ」

「止めろよ!!」

「何でも、妹が人質にされてるらしくて」

「だから安形くんは、ここまで来たんだ。しかし、彼らは一般人だ。無事に助け出さねば…」

近藤は不安を口にし、ビルを見上げた。

「立てこもってる奴らは、鬼兵隊や煉獄姫一派程じゃねェが、過激な連中だ。何仕出かすか分かんねェ」

「つーか、刹那さんて過激派だったんだ…」

ボッスンは小声で呟く。
ちらりと、土方は銀時を見る。

「おい、とりあえずてめェが行って来い」

「は!?何で俺が行かなきゃなんねーんだよ!!一般人巻き込むな!!」

「後輩の説得位出来んだろ?白夜叉殿」

「だから元だっつってんだろ!!」

「不用意に暴露するから、こうなるんや」

「ついでだ鬼塚。おまえも一緒に行って来い。鬼姫だろ?」
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