SILVER DANCE

□第13話
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「ちょっと待て。ボク達は土方さんから、現場に近付くなと言われている。君達も近付くな!!」

ビルに突入しようと考えるボッスンに、椿が止めに入る。

「じゃあ、どうすんだ!?あの中にサーヤと安形がいんだぞ!!」

「あ〜!薫風丸があったら、アタシが乗り込んどったのに…!」

今日は休みの為、ヒメコは薫風丸を持ち合わせていなかった。

「くそっ、他に何かねーのか…!?」

「あら?何でしょうか、あれ…」

丹生は、ビルの裏口に向かう物体を見つける。
それは、死体を背負ったミノタウロス…いや、真選組のマスコット?誠ちゃんだった。

「銀さん何やってんだよ!!」

「何って、ヒュペリオン持ってくんだよ。さっき持ってこいって言ってただろ?」

銀時はヒュペリオンの盤と、コマの入った箱を持っている。

「ホンマに持ってくんかい、ヒュペリオン!!よく見つけてきたな、そんなクソゲーセット」

「さっき白哉に言って、開盟から取ってきてもらった」

「わざわざそこまで…」

「じゃ、ちょっと行ってくらァ」

ヒュペリオンのセットを持った誠ちゃんは、ビルの裏口に消えた。

「行っちゃったよ」

「KMS(キモイマスコット死ね)!」

道流とデージーは、見送った後に呟く。

「さてと、オレもやってみるか」

「何やボッスン、どっか行くんか?」

「貴様…忘れた訳じゃないな?ボク達はビルに」

「ようは、近付かなきゃいーんだろ?」

椿の言葉を遮り、ボッスンは続けた。

「ヒメコ、ペロキャン全部よこせ!後で買って返す!!」

「何するんや!?」

「まぁ見てろ」

作戦があるのか、ボッスンはニヤリと笑った。


ビルに入ってすぐ、見張りをヒュペリオンの盤で殴り倒し、犯人達が立てこもっている部屋の近くに行く銀時達。

「あ、山崎さんと安形さん…!」

新八が、部屋の前にいる山崎と安形を見つけた。

「よォ、犯人共の様子はどうだ?」

「旦那!?」

「おい、声出すな!」

驚く山崎に、安形は小声で言う。

「ところで、何で旦那達はここに?」

「あァ、ヒュペリオン届けに来た」

「……ヒュペリオン?」

山崎が聞き返していると、銀時は部屋に入って行く。

「ヒュペリオン届けに来ました〜」

「ああ、そこ置いといて」

犯人達はずっと外を見ている為、銀時の声に見向きもしない。

「この辺ですかね」

「その辺でいいから!!」

銀時は手招きをし、縛られている従業員達を誘導する。

「あ、サーヤがいたアル」

「何!?」

神楽の発言に反応して、安形はすぐ部屋に飛び込み、サーヤを見つける。

「サーヤ!!」

「お兄ちゃん!!」

思わず出てしまった声に、犯人達は振り返る。

「何をしている貴様らァ!!」

「やべ、気付かれた」

「斬れ、斬れェェッ!!」

飛びかかった男の口に何かが入り、男は倒れた。

「狙撃!?」
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