SILVER DANCE

□第3話
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「よしっ!完成!!」

放課後の部室で、ボッスンは嬉しそうに言う。

「ん?何が完成したんや?」

ヒメコはテーブルを覗き込む。

「何って、クロスワードパズル」

「……暇やな、おまえ」

「別にいいだろ!これ応募すれば、商品券が当たるかもしれないんだぞ」

『オレも協力したからな。ボッスン、当たったら山分けだぞ』

「1人でやったんとちゃうんか…。で、商品券っていくら分?」

「2000円分」

「安っ!!」

と、窓の開く音がし、同時に聞き覚えのある声がした。

「おい、スケット団!」

「ん?」

「銀さんか?」

窓の方を見て、3人は絶句した。

「何やねん、その格好!」

『そんな趣味があったのか、杉田!』

「うっせェ!訳ありなんだよ!!」

銀時の格好は、女装をしたパー子の出で立ちだった。

「なんで女装してんだよ」

「かまっ娘倶楽部でバイトしてんだよ!人数足んねーから、駆り出されてんだ」

西郷に、脅しに近い形で駆り出され、銀時はバイトをしていた。

「ぱっつぁんとかも、バイトしてんのか?」

「いや、別の依頼に出てる。チクショー、サボれると思ったのによ〜…」

頭に手をやり、銀時はブツブツと愚痴を言う。

『それで?何か用があって来たんだろう?その女装を見せに来たようには見えんが』

「ああ、そうだった。……ボッスン、杉田」

銀時は、一瞬ニヤリと笑った。

「おまえら女装して、こっち来い」

『断る!!』

「嫌だよ!!なんでまた、女装しなきゃなんねェんだよ!!」

ボッスンとスイッチは、透かさず拒否する。
と、ヒメコの姿が見えないことに気付く。

「あれ、ヒメコは?」

「おまえら女装するんやろ?椿連れて来たで」

ドアが開き、椿を連れて来たヒメコが現れる。
その後ろには、生徒会のメンバーがいる。

「鬼塚!いきなり何だ!?こんな所に連れて来て!!」

連れて来られた椿は、迷惑そうに言った。

「さっき銀さんがなー、ボッスンとスイッチに女装しろって言ってたんや。せやから連れて来た」

「あんた何考えてんだ。会長に女装しろというのか!?」

希里は、怒鳴るようにヒメコに言う。

「ほな、おまえも女装するか?」

「なんでそんな話になるんだ!?」

と、外からヘリの飛ぶ音が聞こえてくる。

「ん?何だ!?」

銀時は振り返り、外を見る。
同時に、丹生が携帯を閉じる音がした。

「丹生グループのヘリか!?」

「まずい、逃げろぉーっ!!」

しかし、逃げられる筈も無く、4人は再び女装をさせられた。


数十分後、4人はメイクをされ、女物の着物を着せられた。
髪の短いスイッチと椿は、鬘を付けている。

「きゃああああ〜!!」

ヒメコや丹生、デージーは歓喜の声を上げた。

「やっぱり、おまえらかっわいい!!何やねん、ホンマ!!」
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