視
□逃げ回る、僕。
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というよりも、何故こんな時間に生徒が残っているのだろうか。
調べた辺り、とっくに最終下校時刻は過ぎているはずじゃあ!!?
「待ち――い!! ――――って!!」
な、何かを叫んでらっしゃる?!
うぅ、捕まったらきっと(社会的に)殺されるっ!!
逃げて逃げて逃げ回る。
遂に一階だけには留まらなくなり、三階にまで一気に駆け上がった。
「!」
すると、一つだけ鍵が開いている部屋を見つけた。
後ろにはあの鬼の少女はいない。
そのなかに入って、静かに扉を閉めた。
「――どこ――って!!」
廊下はあの少女が駆け回る音しか響いていない。
緊張に身を強ばらせつつも、部屋を見回した。
長テーブルに、椅子。そしてど真ん中には大きな机と、それに不釣り合いな普通の椅子が置いてあった。
ここはどこだろう。
少女はまだ近くを徘徊している。
素早く天井裏に逃げ込んだ。
その直後のことだ。荒々しい音が部屋に響いた。
「‥‥あれ? 気配はここであっているはずなんだけど‥‥」
うわ、怖い!! 人を気配で追ってるよ!!
ササッと移動したのはいうまでもない。