転生した彼の学園モノ。

□1章:入学&試験3
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タカチホ義塾、校門前

 今日は試験場となっている祠へと向かう日、準備は昨日の時点で必要なものは揃えておいたので後は荷物を持ち出発するだけとなっている。

 そして今隣にいるシオはまだ眠たいのか、うつらうつらと船を扱いでいて危なっかしい。まあ眠いのは仕方がないと言える、今の時間は太陽がまだ頭の天辺を僅かに地平線から出しているだけに過ぎないのだから。

 さらに付け加えると昨晩、学校の方で騒がしいかったのも影響しているだろう。案の定というか、昨日予測した通りボロボロになって帰ってくる者達や教師に担がれるようにして連れて来られた者達が大勢おり、どうやら想定を上回る人数が運び込まれたらしい。

「行くか。」
「ふぁい…。」

 まだまだ眠気が取れないのか欠伸と同時に返事を返してきた。
 歩き始めたのはいいがフラフラフラフラと危なっかしすぎる足取りのシオ、それに若干呆れながらもシオの左手をにぎってやり手を引いてやる。



 タカチホ義塾のある場所は温暖な気候のため周辺を森に覆われているが、今向かっている『飢渇之土俵』は乾燥地帯にあるので砂漠となっている。そのため、『飢渇之土俵』に近づくにつれて木々が少なくなり草原へ変わって砂漠となる。

 そして現在、タカチホ義塾周辺の森を抜け木々がだんだんと少なくなっていき逆に膝丈まである草が多くなっている位置まで来ている。時間はおよそ真昼近く(携帯式の時計を持っていないため太陽の位置で判断)だろう。

「そろそろ昼食を兼ねて休憩を取るか。」
「はい!」

 流石に今朝のような眠気はなくなっているシオだが、強い日差しに当てられ続けていたため額辺りに汗が滲み出ている。

 辺りに草原が続いている場所ではあったが、運良く大きな一本松が立っているのを見つけることができた。その一本松の下で日を避けながら昼食を取ることにした。

 一本松の下に着き辺りを見渡すが、草原が広がっている以外何もなくこの先休憩を取ろうにも日照りによって体力を奪われ続けられるだろう。そういう意味でもこの一本松を見つけれたのは僥倖だったといえる。




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