転生した彼の学園モノ。改

□1章:入学&試験5
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「物理的に…?それってつまり『屁理屈』ってことでしょ!」
「校則には『別のPTが戦闘中の場合において敵モノノケに対して武器や盾による攻撃、魔法による攻撃及び支援を行った場合厳罰を処する。』とある。」

 つまりモノノケに対する攻撃と支援魔法が校則違反にあたるわけだ。しかし、校則違反を無視して実行しようとすれば別にモノノケに対する攻撃なども別に構わないのだけれども、そこまでしてやる恩もなければしてやるような奴等でもないため教える必要性もないだろう。まさに因果応報。

「モノノケに攻撃しなければいいって、ならどうやって助けるんですか!?」
「彩は本当に心根が優しいんだな。それを今から実行するんだよ…。」

 そう言うやいなや、今まで遠目でしか見ていなかったが、戦闘が行われている祠の近くまで近づいていく。
 慌てて後を追いかけるシオ、あんず、彩の3人は驚愕と不思議そうな顔の両方を足して二で割ったような顔をしながらもついてきた。
 戦闘を行っている奴等の顔が確認できる位置にある近くの岩場にまで近づいていき、付いてきた三人には姿を見られないよう、しゃがみこむように指示をした。そして自分は戦闘を行っている方を向きながら立ち上がり声を張り上げながら言う。

「残念!真に残念だ!六人もいるPTなのにお互いがお互いを阻害して邪魔をしあうなんて、リーダーが悪いんじゃないかな?」
「「「…え!/…は!?/…うそ!」」」

 どうやら三人とも突飛な行動に言葉を失っているようだ、そして戦闘を行っているはずの六人も同様に一様にこちらを向き唖然としている。モノノケも同様に新たに出てきた敵(?)に焦ったのか戦闘を行っていた六人と距離をバックステップでとり始めた。まあ、モノノケにこちら(学校側)の校則なんぞ知っているわけがないので、モノノケの反応として正解だけれでも……まぁいい。

「おいおい!何を呆けているんだ!今がチャンスで『バハムーンが正面から』!『ヒューマンの二人が左右から』!『エルフは速度で撹乱』!『ノームとセレスティアは魔法の援護』!これだけで倒せるだろうに!なぁ、お前はどう思う?」
「!……僕もそうだと思います!『クガミさん』!」

 ずっと声を張り上げながら喋っているので多少喉に違和感を感じるが些細なことと割り切る。それにしてもシオのやつ、突然な会話を合わせてきたのはいいが『名前』を出したか…。いあや、突然会話を振った俺も悪いけれど、態々名指しせずに会話を振ったのに気づいてほしかったなとも思うが、まぁいい、名前程度のこと如何にでもなるだろう。

「くっそたれがー!!」

 どうやらリーダーらしきバハムーンは俺の言葉を聞いてそのとおりに動くようだが、声に怒りが混じっているあたり屈辱的なんだろうな、本人にとっては。けれどそれを我慢して動くあたり、まだ性根は腐ってないようだ。
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