転生した彼の学園モノ。改

□1章:入学&試験7
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「……遅いですねー。」
「……。」

 あんず達とわかれてから1時間以上かかっており、外は既に夕焼けが消えつつある頃合になってきていた。
 そこからさらに30分程まって漸くあんずと彩が来た。

「お待たせー。」
「さっさと職員室に行くか…。」

 もはや突っ込む気も失せたのか、2人の髪がしっとりと『濡れている』ことは全力でスルーした。呆れているクガミに対してシオはどこか納得した表情をしていた。彩はクガミの様子を見て恐縮していたがあんずはそ知らぬ顔。

 職員室に向かう道中、チラホラ生徒とすれ違ったりしたが問題なく職員室に到着すると思いきや。

「「「あ」」」

 祠で助けた(?)バハムーンたちが職員室から出てきたところに鉢合わせした。お互い驚き顔であったが、そんなこと関係ないとばかりに横を通ろうとしたクガミ。だがバハムーンが体を割り込ませてそれを阻止した。

「てめーには言いたいことがあんだよ…。」
「俺には無いが?」

 睨みつけられドスのある声で絡まれたが、当の本人は気にするそぶりもなく強引に通ろうとする。バハムーンも意地になり通さまいと体を張る。体格さもあり通れないと判断したクガミは無理に通ることを止めた。

「ハァ。で、用はなんだ。」
「てめーが助言なんぞくれなくてもあのモノノケを倒すことはできんだ!次、何かしやがったらただじゃおかねーからな…!」

 ふん、と見下したようにクガミを見ながら仲間を引き連れその場を後にするバハムーン。クガミはどうでもいいような感じでその後ろ姿を見やるが、あんずは嫌悪を丸出しにし彩は委縮して顔を伏せ、シオは彩を元気づけていた。
 バハムーンたちの姿が見えなくなって暫くしてからいざ職員室に行こうと前を向くとそこに1人の青髪の女のセレスティアいた。
 そのセレスティアは片手に杖を持っており、青い長い髪を何も止めることなく後ろへと流していて前髪を水を象っているピンで止めている以外、他になにも付けておらず装飾的な特徴はなかった。

「何か?」

 青髪のセレスティアは先ほどのバハムーンたちといたことを知っていたあんずはトゲがある言い方で問いた。
 セレスティアはあんずの言葉を気にした風もなく、ゆっくりと頭《こうべ》を垂れた。

「祠の件、ありがとうございました。」

 微笑みながらそう言うとセレスティアはその場を去っていった。
 思いがけない一言によりあんずはポカーンとし、トゲのある言い方をしことに若干の後悔を覚えた。クガミは少し考え、あんずに気にすることはないと声をかけてやる。
 あんずを元気づけた後、職員室に入ろうとしたクガミたちに声がかけられた。

「かはは!随分な奴に目をつけられたもんだな。」




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