他ジャンル*
□休みます。(雪燐)
2ページ/2ページ
ガゴンッッ
「いっ・・・、何すんだ雪男!!!」
ベッドに頭を強く打ち付けられると、涙目になりながらも俺は目の前の雪男に怒鳴りつけた。
「・・・いや、兄さんの事、楽にしてあげようと思って。」
「だから何の事・・・」
「薬。兄さんが飲んじゃったやつね、あれ、俗に言うビヤクってやつだよ。」
「・・・・。」
黙りこくってしまった俺に、雪男が心配そうな顔を向ける。
「ごめん兄さん。兄さんには漢字変換が難しかったかな。」
「なワケねーだろ!!馬鹿にすんな!!媚薬だろ!それくらい知ってるに決まっ・・・」
「じゃあ効能も知ってるよね、兄さん。」
「うっ・・・」
なんとなく、話は聞いたことがある。
いつだか志摩がそんな物があるのだと言っていたような気がするのだ。
「さて、じゃあ暴れないように・・・っと」
雪男は俺のワイシャツからネクタイを抜き取ると、手早く俺の両手腕を頭の上でまとめ上げた。
「なに、してんの雪男」
「ここまできて自分の状況が分からないって、どれだけ馬鹿なの兄さん」
「何だとこの・・・ッ、んぐ、」
反論しようとした口を、雪男の唇に奪われる。
まるで噛みつくようなその感覚は、驚きと息苦しさでおかしくなってしまいそうだった。
「っ・・・ん、・・・ぐ・・・っは!!これ解け!!」
俺はバタバタと藻掻き、動かない手の代わりに尻尾をビシビシと雪男にぶつける。
足は、雪男が馬乗りになっているせいで上手く動かせなかった。
「離せって、・・・っこら雪男!!!」
ぺしッッッッッ
その瞬間雪男は尻尾を鷲掴みし、俺に不敵な笑みを浮かべる。
「そろそろ本格的に薬が効いてくる頃だよ、兄さん。身体きついんじゃないの?多分こんなのでも反応するでしょ」
そう言うと、雪男は尻尾の先端を口に含む。
「いっ・・・!?」
ビリ、と電撃が背中に走ったように弓反りになる。
普段なら全く気にしない尻尾という部位なのに、その生暖かな感触にゾクリとしてしまう自分が信じられなかった。
その感触を境に、雪男が次々と触ってくる至る所の部位がまるで熱を持ったように発熱し始めたのだ。
どんどん自分がおかしくなっていくような錯覚に陥る。
これも薬のせいなのだろうか。
「辛いでしょう兄さん。あの薬飲んじゃって早く楽になりたいなら、俺の言うこと聞いた方がいいんじゃない?」
「んな事、いっ・・・お前が変な事するからだろ!!!!」
「変な事って何?」
雪男は俺の肩に顔をうずめると、耳殻を舌でなぞりながら囁く。
「ひっ・・・」
「ちゃんと言ってくれないと分からないよ?」
「だっ・・・から、・・・っ。」
答えようとすると、雪男は脇腹の辺りを指先で擽ってくる。それと同時に耳に吐息を送り込んでくるため、声をこらえずにはいかなかった。
「っあ、・・・やめ、・・・雪、」
「なに?兄さん。」
笑みを浮かべたまま雪男は俺に目線を合わせる。
「これ・・・きつい、から。も、やめっ・・・」
「あぁ、相当キツイんだ。兄さんて早いよね。」
雪男は笑いながら下腹部に膝を押し当ててくる。
「っあ、・・・っん。」
「でも兄さん、これがどうかしたの?それとも、俺にどうかしてほしいの?」
「・・・おま、・・・いつから、意地汚くなったんだ・・・!?」
「兄さん程、意地汚くはないと思うけど?」
にっこりと笑いながら問いかける姿では、
もうどっちが悪魔なんだか分からない。
自分では声を抑えるのに限界がきていた。羞恥心が尋常じゃない位の値だったが、羞恥心を振り払って俺は雪男に懇願した。
「頼む・・・っから、これ、・・・楽、にして・・・。」
「よくできました。」
そう言うと、両手首の拘束を解き、真っ向から優しくかき抱いてくれる。
「早、く・・・して」
拙い口調で催促を促すと、雪男は自分のワイシャツのボタンを解きながらこう言う。
「ま、お願いされたからってしばらくは焦らすんだけどね?」
「なっ・・・」
「まだまだイかせないよ兄さん。」
その言葉を最後に、俺は記憶がぶっ飛んだ。
*
(雪男視点)
目をさますと、隣には兄の幸せそうな寝顔があった。
「・・・・ごめんね兄さん。」
手元の茶色い小瓶を見る。
その中身は媚薬でもなんでもなかった。
ただの発汗作用を促す、漢方薬のようなものだった。
「まさか飲むなんて思わなかったし。・・・それよりも媚薬ってほんとに信じるなんてね」
きっと、燐の身体の火照りの症状は、漢方薬が促す発汗作用の効果だろう。
その場の雰囲気と雪男が与えた感覚に、すっかり媚薬と勘違いしてしまったに違いない。
(まぁ、思わぬ所で兄さんに迫ることができたからいいか。)
「おやすみ、兄さん。」
最後に兄の額に唇を落とすと、自分もベッドの中で眠りに落ちたのだった。
*
内容が、18歳対象なんだかよく分からなくなってきましたw\(^^)/ピァアア