黒バス/妖僕SS*
□ボンボン。
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伊月は不審そうな表情を浮かべ、黒子をみる。
「それよりも、何で黒子こんなんなってんだ。何かしたのか、火神。」
「いや、黄瀬の奴、なんか黒子にチョコあげたみたいで・・・オイ、お前何渡したんだよ」
すると黄瀬は少し冷や汗を流しながら、
「いやぁ・・・ファンの子から貰ったプレゼントの中にあの缶があったんスけど・・・。さっき添えられていた手紙読んだら・・・まぁ、その。」
もごもごと口ごもる黄瀬。
「何だよ、らしくねぇぞ。」
「いや、何というか・・・チョコに、入ってたみたいなんスよ。」
「何がだよ。」
「よく分かんないんで・・・、多分推測っスけど。惚れ薬とか書いてあったッス」
「・・・・。」
「お前のファンの子って、怖くね?」
火神はおそるおそる黒子を見る。
見たところ、変な口調以外は特に変わったところはない、が・・・。
「それで注意書き読んだんスけど、」
「続きあるんか!!!」
「あのチョコ食って真っ先に見た人に、食った人は1日中付きまとうらしいんスよ。・・・全力で愛を表現しながら」
ゾワァ・・・
背筋に冷たいものが走る。
「・・・・。」
(それって。)
「おい火神、お前黒子があれ食ったときにどこに居た?」
伊月が火神を不安気に見つめる。
「・・・目の前、・・・です」
と、答えると同時に背後から声がかかった。
「火神君。」
「っっ!!???・・・・むぐっ、・・・!?」
振り向きざまの火神の口に、片手いっぱいに握りしめたチョコをぶちこむ黒子。
「んぐ、むっ・・・・何しやがる黒子!!」
「ボクばっかり食べてもしょうがないじゃないですか。美味しいんですよ、このチョコ。」
頬をむっと膨らませ、若干拗ねた表情で火神を見上げる。
「・・・・・っ」
・・・コイツ、こんな表情するっけか。
まじまじと黒子を見つめる火神に気づいたのか、黒子は火神に問いかける。
「どうしたんですか、ボクに何かついてますか。」
「い、いや、可愛い顔だなって思ってよ」
「・・・(ブハッ」
黄瀬が吹き出すのを気にも止めず、黒子は答える。
「ボクは火神君の身長が羨ましいです。どうしたらダンクができるようになりますか。ボクは黒板消すのにも精一杯なのに」
「んな事ねぇだろ。お前だって色々頑張ってるよ。パス回しなんかも、俺じゃ絶対真似できねえしな。」
「もしかしたら・・・」
「え?」
「ボク達、これからも2人で何かと一緒にいれば、何があっても大丈夫な気がします。」
「何だよ、照れんだろやめろよ黒子。」
「ホントの事言っただけです。ボクは、火神君のこと、大好きですけど。」
「黒子・・・お前・・・」
「火神君・・・」
「・・・・」
「・・・・」
目の前でラブシーン並の事を繰り出す2人をみて、伊月と黄瀬はもの凄い笑いをこらえていた。
*
もうオチがオチじゃない(^q^)
ボンボン美味しいですよね。