黒バス/妖僕SS*
□何度でも。
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・・・・何度生まれ変わっても、
彼の真っ直ぐな所は変わらなかった。
馬鹿正直で、悪ぶっていても、
本当は自分よりもいつだって他人のことを考えている。
きっと、自分はそんな彼の所に惹かれたんだろう。
・・・けど、
「おはようラスカルーッ☆ さぁ朝ご飯はできてるからねーっ!」
コト。
「ペット皿じゃねぇかぁあああああ!!」
「はっ、相変わらず君は成長しないな。」
「渡狸・・・口にごはん粒ついてるよ・・・??」
「ああああぁあもう、お前ら俺に構うんじゃねぇえええ!!!」
ボンッ
豆狸の先祖帰りである彼は、小さな小動物の姿に形を変える。
「俺に逆らうと怪我すんぜ!!今日こそは俺の・・・「女の子に乱暴な言葉使わなーいっ☆」・・・・・・!!!!」
ぎゅむっ。
「渡狸、遅刻しちゃうよ・・・?」
思い切り尻尾を握られた彼は、痙攣したようで、ぴくぴくと小さな身体をふるわせる。
「ほらほらー、カルタたん、先に行っちゃうよぉ〜渡狸〜?」
ちゃかすようにそう言うと、堪忍袋が切れたのか、渡狸はキリッとこちらを睨み付け、叫んだ。
「・・・・・いい加減にしろよ!!人の事おちょくってんじゃねぇよ!!!お前みたいに、ヘラヘラ笑ってる奴なんか・・・」
「ラスカ・・・」
バシッッ
彼に伸ばした手は、あっさりと振り払われる。
「大っっっっっ嫌いだ!!!!!!」
「お、おい・・・君!学校は・・・」
「大丈夫大丈夫、ちよたん気にしな〜い☆」
ロビーから駆け出す渡狸を見て、心配そうにする凛々蝶をなだめる。
「でも渡狸・・・泣いてた・・・。」
「大丈夫〜☆ラスカルは学校サボったりしないからねー!」
「じゃあ・・・髏々宮さん、先に行って彼を待とうか。」
「うん・・・・。」
「行ってらっしゃ〜い☆」
・・・・・どうして、
自分は、
(彼に正直に、なれないんだろう)