黒バス/妖僕SS*
□ボンボン。
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「火神君、貰い物なんですけど・・・良かったら食べませんか。」
「何だよそれ。食いもんか?黒子。」
黒子は大きな包みをひらくと、中から缶の箱を取りだした。
「チョコレート、みたいですね。」
「なんだよ、これ酒入りじゃねーか。」
「火神君、食べれますよね?ボク1人じゃ食べきれないんで、これ半分あげます。」
そういうと鷲掴んで半分以上のボンボンを火神に渡す。
「ああ、サンキュって・・・多いわ!!!食えるかこんな量!!!」
「すみません・・・でもこれ、賞味期限が今日中なんです。火神くんなら食べれると思ったんですけど・・・。」
少し残念そうに、チョコを見つめる黒子をみて慌てて言い直す。
「いや、でもせっかくだから貰うわ。黒子、お前も少し食えよ。」
「はい、・・・ではせっかくなので。」
黒子は包みをひとつ取り出すと、チョコを口の中に放り込んだ。
しばらくすると、目をカッと見開いて言った。
「これは・・・」
「な、なんだよ黒子。酒が強ぇのか?」
「・・・・予想以上に美味しいです。」
すると黒子はどんどん口にチョコを放り込み、しばらくすると黒子の手元にあったチョコは、すべて包み紙として放り出されていた。
「・・・・」
さすがに中のアルコールが効いているのか、黒子は顔を俯き、黙りこくった。
「お、おい。黒子、どうした。気分でも悪いのか?」
「火神君・・・・」
「うおっ!!?」
屈んで黒子の顔を覗き込もうとした瞬間にすばやく黒子が顔を上げ、至近距離に黒子の顔がある。
「・・・お前、顔赤いぞ。」
「火神君って、」
心なしか蒸気させている頬に緩やかな笑みを浮かべ、黒子は言い放った。
「どうして眉毛が2本なんですか」
「は」
すると黒子は口に手を当てながらこう続ける。まるで笑いをこらえるかのように。
「紫原君も言ってたんですけど、よく見たら火神君の眉毛ってすごいですよね。なんですかその形。というかどうして分かれてるんですか。枝毛ですか、眉毛に枝毛・・・・ップ、ってあるんですか(ブハッ」
「黒子・・・手前ェ・・・」
(完全に酔ってやがる・・・・!!!)
「ちーッス、黒子っちー。差し入れのチョコどうだったっスかー?」
「黄瀬か!!?なんてモン食わしてんだ黒子に!!コイツ変になっちまっただろーが!!」
フラフラと黄瀬に歩みより、
黒子は黄瀬に向かって笑いをこらえながら言い放つ。
「黄瀬君てモデル本当にやってるんですか?」
「え、何スか急に。・・・まぁ・・・ちゃんとやってるっスよ?」
「いつも思うんですけど、試合とモデル、ぶっちゃけ両立とか無理だと思うんです。中途半端はボクは嫌いです。それとその口調はうつりやすいのでやめてくださいッス。」
「黒子っち語尾変なんスけど!!!??」
「黄瀬!!お菓子食ったせいで黒子がおかしくなっちまったじゃねーか!!」
「心外です、火神くん。ボクはおかしくなってなんかいません。むしろ火神君の眉毛が数百倍おかしい、のだよ」
「地味にイラッとするわ!!!」
するとそこで唐突に伊月がやってきた。
「黒子それ頂き!!! 『お菓子食っておかしく』なっ・・・」
「先輩。いつも思うんですけどその系統のギャグうざいです。試合中によく浮かびますよね尊敬します、きっと聖徳太子もびっくりです」
「おい火神だれだコイツ。」
「えっと、間違いなく黒子だ、・・・です。」
伊月は信じられない目で黒子を見つめる。