Dream-INFINITE-

□正体
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「ってか社長とあんな仲良くして…何者だろう?」

「何独り言言ってるの?」

「うわっ、びっくりさせないでよ…」


そう言って一緒に扉に耳を寄せる同期のソンジョン。


「なんかさ、今日入って来たホヤさん。社長とめっちゃ仲良いっぽい」

「え?なんで?」

「分からないからこうしてるんでしょ」

「でも、はたから見たら変な人だよ?」


そう言われて扉から耳を話し、自分の仕事場に無言で戻る。
それにしても、二人の関係が気になる。


「ソンジョン」

「ん〜?」

「今日ご飯行かない?」

「いや、僕シンチェと二人なら行きたくない」

「え、こんなに仲良しなのに!」

「仲良しだからだよ…皆に恨まれるんだから」


そういえばさっき私は人気があるとかなんとか…
って言われても、人気もクソもないよな…
だって、人気があったらもう彼氏がいるはずだもん


「わかったよ〜…」

「また今度ね!僕、今日はちょっと仕事終わらないと思うからさ」


そんなこんなホヤが戻ってくるのを待ちながら仕事をする。
結局戻ってきたのは1時間後。
ホヤに仕事を教えながら自分の仕事をしていると、退勤時間はとっくに過ぎてしまっていた。


「やばっ…ホヤさん、こんな時間まですみません!」

「いえ、大丈夫ですよ?」

「いつの間にか皆帰っちゃってるし…私たちも帰りましょう」

「シンチェさんの仕事は全部終わったんですか?」

「私は家でやるので大丈夫です」


急いで帰る準備をすればホヤも慌てて荷物をまとめる。
帰る先は一緒なので、二人でただ家に向かって歩く。


「あの…なんで私の母に拾われたんですか?」

「あ、いや、拾われたというか…家を探してるときに話しかけられたんです。部屋が余ってるから来ないかって」

「あ、そうなんですか?うちの母がすみません…全然住みたい家あったら、そちらでもいいですから…」

「しばらくは住んでみようかなと。お母さんもいい方ですし」


私が気まずいんだけどな。
同じ家から同じ職場に、同じ職場から同じ家に。


「すぐに出て行くので安心してください」

「いえ、ゆっくりしてください」

「シンチェさんは、ここでどのくらい働いているんですか?」

「まだ2年目です。それなのに私がホヤさんの…はあ…」

「気を付けた方が良い人っていますか?」

「ん〜…特にはいないですけど、敢えて言うなら…社長ですね」

「社長?」

「何を考えているか全くわかりません」



そう答えると同時に聞こえてくる笑い声。
隣を見ると大爆笑してるホヤがいた。
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