Dream-INFINITE-

□幼馴染と
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「ソンジョン〜!」

「シンチェ〜!」

「一緒に帰ろっ!」

「いいけど…もう高校生だよ?男女が一緒に帰るのなんて…」



ソンジョンは周りを見渡す。



「私と帰るのが嫌なの?」

「嫌じゃないけど…」



また周りを見渡すソンジョン。



「じゃぁ一緒に帰ろっ!」

「う…うん」



一緒に帰るのは嫌じゃないけど…

むしろ嬉しいけど…

でも、皆は手をつないで帰ってるのに…



「シンチェは、彼氏とか作んないの?いい加減、僕離れしなきゃ」

「んー…めんどくさいって言うか…めんどくさいってか…うん」



そんなこと言いたいんじゃないのに…

シンチェが誰かの彼女?

あー!!ありえない…



「ソンジョンもガールズグループに対抗してないで、彼女作れば?」

「えー…」

「居ないの?好きな人」



急にソンジョンが大声を出す。



「ってかこうして皆は手をつないでるのに、僕たちだけ繋いでないんだよ!?恥ずかしくないの?」

「恥ずかしいも何も…別に付き合ってないし」



ソンジョンは地団太を踏む。



「何?繋ぎたいの?」

「いや…そういうわけじゃ…」

「いいよ?」



シンチェはソンジョンに手を差し出す。



「私知ってるよ?ソンジョンは高校で1回も彼女が出来たことないからって、馬鹿にされてるんでしょ?」

「…」

「知らないとでも思った?幼馴染をなめたら駄目だよ〜」

「皆はシンチェと僕が幼馴染って知ってるもん」



ソンジョンは後ろで手を組んだまま、シンチェの手を握ろうとはしない。



「しかも、付き合ってもいないのにシンチェと手繋いだら、皆怒るもん」

「大丈夫だって!」

「大丈夫じゃないの!シンチェは男子と仲良いから、シンチェを好きな人はたくさんいるんだよ…」



シンチェは手を下した。



「私は、いるよ」

「何が?」

「手を繋ぐ相手」

「…なんだ、言ってくれればよかったのに…幼馴染なのに言わないなんて反則」



やっぱり居るんだ…

幼馴染の僕より大切なんだろうな…



「ほら」

「え?だって相手がいるって…」

「ソンジョンだよ、ソンジョンとつなげれば幸せ^^」



シンチェは再びソンジョンに手を差し出した。



「シンチェは優しすぎ!!僕が女で、シンチェが男みたい!!」

「いいから、繋ぐの?繋がないの?」

「…悔しいけど繋ぐ」



ソンジョンは手を出して、二人は普通に手を繋いだ。



「シンチェは、なんでいつも僕と一緒に帰るの?」

「家の方向一緒だもん」

「…」

「嘘!ソンジョンと帰るのが楽しいから^^」

「シンチェ、僕手なんか繋いだらおかしくなりそう」



ソンジョンは急に立ち止まった。



「ソンジョン?」

「…あっ!アイス食べたい!」

「いいよ〜!私も食べたい^^」



二人はアイスクリームを買って、近くのベンチに座った。



「僕、シンチェが好きだよ」

「私も好きだよ」

「僕は、シンチェと手を繋いだりキスしたり…体にも触りたい」

「…」



シンチェは無言でアイスクリームを食べる。



「繋ぎ方だって、恋人つなぎが良い!」

「私は…」



カップの中でドロドロに溶けたアイスを、スプーンで軽く混ぜる。



「シンチェは?」

「ほら、日も沈んできたし帰ろうよ!」

「う、うん」



シンチェに引っ張られ、無言のまま家に向かった。
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