おばあちゃんっ子の災難

□Story⇒white
1ページ/5ページ


「ハルばぁ!!遊びに来たよ!」
「こんにちわー。桃々連れてきたよー」


 12年前の、ひどく暑い夏の日。詩白は大好きなおばあちゃんの家の遊びに来ていた。あまり人になつかなくて内気な詩白だが、おばあちゃんにだけ見せる笑顔があった。頭を撫でられたときの笑顔が。
 
中学に入ると、途端にいじめられっこになってしまった。机に油性ペンで落書きをされる、なんて言うのは、まだ優しい方だ。裏サイトにも、もちろん『消えてほしい人』で名前が挙がっている。
内気で、あまり笑わなくて、嫌と言えない性格だったからなのか、別の理由があのか…。
 いじめは、中学卒業まで延々と続けられた。学校側は何も手を差し伸べてはくれなかったという。

 こういった経験があり、高校では「強くなろう」と決意した詩白。

 そして、高校入学。人が変わったように明るくなった詩白に、最初で最後の奇跡が起きた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ