Blood hunter

□1Drop
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『あぁ、もう…なんて日なんだろう。』


死神に似た、生き物かさえも疑いたくなる様なモノによって連れて来られた場所にはそれが沢山湧いていた。鎌をシャアシャア鳴らしながら距離を詰めて来る。人助けをしただけだと言うのに何たる仕打ちだ。


『あぁ、もぅ……喉が渇いてしまう前に早くのしてしまおう。』


私の言葉が合図の様に襲いかかっていたソレをすいすいと避ける。幾ら人より強かろうが速かろうが私にはスローモーションの様にしか見えない。避け、後ろがガラ空きになったそれに次々と裏拳や蹴りをお見舞いする。ソレは大きな音を立てて壁に減り込んだ。するとそれはガシャンと音を立てて“壊れた”。


『やっぱり人じゃなかったんだ…っとそんなこと言ってる場合じゃないや。早く帰らないと。』


明日もバイトがある。故に早く帰りたいのだが、何処かも分からないこの場所で方向音痴っ気が抜けない私が自力で帰れるだろうか。いや、明らかに答えはNOだ。
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