novel
□素直になれない
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「剣城ー!」
昼休み、学校の静かな裏庭に一人の少年、松風天馬の声が響き渡る
「剣城ー!つる…ぎ?」
剣城京介はあたりに涼しい風が吹き抜ける大きな木の木陰で静かに寝息をたてていた
「剣城…起きて」
天馬は剣城の肩を優しく揺すった
「んぁ?あ、松風か…」
剣城はまだ視界がはっきりとせず寝ぼけている
「ご飯、食べよっか!」
「ん…あぁ」
天馬は普段信助や輝達と昼食を食べているのだが、最近は剣城が一人でいるのが可哀想だとわざわざ裏庭に食べに来ている
「お前もよくまぁ懲りずに来やがるな」
「うん!俺は来るよ!」
剣城は天馬を鼻で笑ったが、実はとても嬉しい気持ちを隠しきれていなかった
「剣城は、俺のこと…好き?」
「あぁ?…べ、別に好きじゃねーよっ!」
剣城は顔を赤らめ否定したが、天馬が微笑むとばつが悪そうに目を反らした
「そうなんだ…剣城は俺のこと、嫌いなんだね」
「あぁ。…き、嫌いだ!」
剣城は自分が言ってしまったことを後悔したがそれを謝ることもできず、その場が気まずくなってしまい、そそくさと立ち去ってしまった
「もう、剣城は素直じゃないんだから…」
これだからツ
ンデレは困る