魔法使いヒッキー

□その8
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先生のとこで寝泊まりしてるけど、寮には帰ってます、ボクです。
自由時間は殆ど寮から出ません。引きこもり大好き。部屋で女子との会話を無視してずっと本やら日本に帰ってから出すイベントの同人誌のネタやら考えてます。
恋愛?なにそれ美味しいの?
リア充?爆発物でしょ?
そんなおかしい頭だから今まで友達なんてまともになかった。まぁ、口に出さないなら大丈夫だって後から思った。

「名無しさん、教えて欲しいことがあるの。」
「ん、何々?可能な限り教えるよ。」

最近、上級生に教科書(お古)を沢山もらい、今では大体五年生のものまでは理解した。
実践しなきゃ身に付かんけど。
そんなわけで色々教えることができ、最近は教室の移動中に他の寮生から聞かれるぐらいだ。

「そっか、そんなことなんだ!ありがとう。」
「ん。」

羊皮紙でさらさらとメモをとって帰ってく女子。ひらひらと手を振って彼女を見送る。
ちなみに言おう。彼女の言葉は全部脳内変換してある。
よく考えてみて欲しい。
ここは傲慢で鬱陶しくて他の寮生からは嫌がられることで定評のあるスリザリンだぞ。
こんな素直な娘を探すことは山ほどのラノベから漫画を探すような……違うな。
多様な3Dパズルを間違えずに全て完成…これじゃない。
蟲王から一本だけ触手を引きちぎること…これだ!これぐらい難しい。
つまり、脳内変換してないと、

「ちょっと、そこの穢れた血。この純血な私にも分かるようにここを説明なさい。」

とか、

「純血の私にもわかり安い説明ご苦労様。」

てな具合。
別にボク自身Mだとは思ってない。こう考えないとここではやってけない。
それに、ボクは知ってる。ここの寮はツンデレしかいないこと。
多分僕がオタでなければ出来ない事だろうね。

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