魔法使いヒッキー

□その35
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「Ms音無。」
「チッ。なんですか、ロックハート先生?」

夕飯をとった後、どこかへ行ったカッパを探していると、阿呆のロックハートにエンカウント。もしド●クエならばお前には即座に死の呪文だわ。奴はボクの目の前に来ると、うざやかな笑顔を向けた。死ねばいいのに。

「授業中に私を誉め讃えるのはやめなさい。」
「は?頭大丈夫ですか?」
「君が私を思ってくれるのはよくわかる。でもそこまでアプローチするとファンにも反感を買ってしまうよ。」

死 ね ば い い の に 
ウインクをする奴は今まで以上にウザかった。どうしたらこいつは黙れるだろう。頭を抱えそうなぐらいになっていると、奴はボクの肩に触れた。そして何か言おうとして口を開けた瞬間奴の顔は視界から消えて、代わりに緑の何かが見えた。
唖然と見ていると、後ろから大丈夫か、と声がした。

「あ、スネイプ先生。」
「お前のカッパに話をしていたら丁度お前とロックハートが見えたからな。」
「それでカッパが攻撃してKOさせたのかー。」
「いや、咄嗟に我輩が投げた。」
「先生ってそんなにアクティブだったっけ?」

驚いたー。先生良い肩してんじゃない?魔法使いやめて野球選手になったら?投げられたカッパはというと、ボクの足元で「どうかした?」という感じでそこにいた。お前何かとすげーよ。

「ところで何の話をしてたん?」
「あのロックハートが名無しに近付いたら問答無用で殴れと。」
「わぉ、それは嬉しい防犯だわ。」
「我輩に近付いても殴らないと。」
「わー…。」

別の意味で防犯手薄です。カッパに本当?と聞けば頷いた。お願いだから貞操の危機には助けてね。
本来の目的のカッパを抱き上げ、失礼しようとすると、良いタイミングでロックハートが起きた。スネイプ先生はボクを自分の後ろに隠すように腕を引いた。ロックハートはぼんやりとボクらを見てから、何かを察したのか、すくっと立ち上がる。

「良いでしょう、スネイプ先生。受けてたちます。」
「……何のことかね?」
「名無しが私をとるかスネイプ先生をとるかなど、一目瞭然です。なんせ、彼女は私のフィアンセですから。」
「死ねばいいのに。(ぼそ)」
「………。」

ついつい言ってしまったが、反省はしないぞ。ロックハートはボクに今日はこのへんで、ハニー(ウインクばちこーん)と言ってどこかへ行った。あいつをバシ●ーラして、お空の彼方へ飛ばしたい。奴が去ると、スネイプ先生は不機嫌にボクを見た。

「奴の戯れ言だとは思うが、フィアンセだと?」
「もしそれが事実なら、あいつはこの世にいない。」
「それもそうか。」

ふん、と鼻で笑う先生はどこかしら満足そうだった。

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