魔法使いヒッキー

□その31
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「本当にあの音無の娘さん?」
「あー、えっと…。」
「あぁ、アーサー・ウィーズリーです。私は君のお母さんと同じ寮だったんだよ。」

笑顔で言うロンの父親。はじめまして、と言うと本当そっくりだ!と笑った。
その後に来たロンの母親もボクを見て嬉しそうに笑った。

「母さんはグリフィンドールなのかー。」
「君は違うようだね。」
「うん。でもハリーたちとは仲良いよ。」
「よかった。これからも仲良くしてくれ。」

最初スリザリンだと知って眉を寄せられたが、ロンの父親はにこやかに言った。ボクもにこりと笑い、ついでにハーマイオニーの両親にも挨拶した。みんなで店からぞろぞろ出たとき、ふと忘れていたことを思い出す。

「杖!」「え?」
「君、もう持ってるだろう?」
「違う違う。あれはただの小枝。」
「あの黒の杖は?」
「あれは種も仕掛けもある手品の杖。本物の杖はまだなの。」

そう言うと全員唖然としていた。それを無視して「それじゃ。」と言って杖の店に向かう。その後ろを教科書を頭に乗せた一頭身のカッパがついてくる。お前、走ってるのによく落とさずについて来れるな。店に入れば店主が迎えてくれて、早速杖を選ぶ。
が、みつからない。店主がいくらあれやこれやと出してくれるがこうも決まらないと諦めるよ、ボクが。店主は逆に燃え上がり、必死に見付けようと躍起になってる。

「これならどうじゃ!ヤナギの木、ガシャドクロの髪、24cm!」
「何故に妖怪…。」

しかもそれ骨しかないやん。なんで髪があったんだ。是非聞きたい。杖を持った瞬間、ぶわっと後ろから風が…振り返ればそこにはいつぞやの超兄貴版のカッパさん。いやいや、教科書持ってポーズされましても。しかし店主は大いに喜んでいた。良いのか店主。
とりあえずこの杖に決まってお金を払い外に出た。

「君、早く元に戻ったら?」

カッパさん、周りの視線に気がついて。いや、だからポーズされましても。あーもういいです。その姿で買い物付き合って下さい。
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