魔法使いヒッキー

□その33
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『え、魔法学校?』
「はい。貴女には魔女の素質があるんですよ。」
『……。』

胡散臭い。いや、そんなこと言っても仕方ないか。PCに向かってエロゲの最終チェックをしてたらいきなりエメラルドグリーンの服を着た魔女の帽子かぶったばあ様が来たんだもの。
とりあえず、あまり使ってない綺麗な椅子を出してばあ様を座らせて、どんな学校かとか聞いた。イギリスか…飯不味くないのかな?……イギリス?

『あれ?なんで日本語なんですか?』
「魔法で通じるようにしてあります。」
『へぇ…面白そう。……本当に入学しても良いの?日本の魔法学校はないの?』
「勿論です。日本の魔法学校が貴女をこちらに推薦してくださったんです。」
『じゃあ入る。』
「ではここに必要なものが書いてあるので式の日までに揃えて来なさい。」

ばあ様はボクに手紙を渡すとでは入学式に、と言って消えてしまった。手紙を見たが全て筆記体だし英語で頭が痛い。助けて、エキ●イト先生!その日から毎日英語のCDを聞いてなんとなく英語を身につけたとき、ボクは重大なことに気がついた。

「食糧がない!」

ジュースが…ない…。ショボンとしてる間にそのまま気絶。次に目覚めた時は、知らない魔女みたいなおばさんが二人もいた。何か言ってるけど、頭が回らない。折角英語脳作ったのに…。
彼女たちは大きな黒いマントをボクに被せて、捕獲された宇宙人的な状態で連れていかれた。移動中に気分悪くて再び気絶。
次に目覚めた時は椅子に座らされて、何かを被せられた。

「おお、来たかね。待ってたよ。」
「遅れましたー。」
「さて、君も難しいね。どこの寮がいいかね?」
「ボクの野望を叶える寮が良ーなー。」
「ほぅ…ならばここが良いだろう…スリザリン!」

わぁっと声がした。フラフラと騒いでる机に行き、椅子に座る。周りがわいわいと何か聞いてくるけど、今はジュースを飲んでまったりとする。
ぷはー、久しぶりの食糧ウマー。すると隣の上級生が何か聞いてきた。何?と首をかしげるとかろうじて「名前」の単語を拾えた。

『名無し。』

そう言ってにや、と笑えば彼は少しドン引きした。……折角の魔法学校だ。厨二設定でいこう。そしたらもっと上手くいくんじゃね?



……過去を振り返ったけど、結局あんまり上手くいかなかったな。
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