うたプリで家族パロ・学パロ

□我慢しないで甘えなよ
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(わかってるけど、でも)



コンコンっ



「兄さん?」
「…音夏?どうしたんだい?」
「…入っていい?」
「どうぞ」



カチャッ

パタン



「さっき、どうしたの?」
「ん?…ああ、何でもないよ」
「何でもなかったら、あんな風にドアを閉めないじゃん」
「…そうだね」
「私とか音兄が兄さんの話を遮っちゃったから、怒ってるの?」
「いや。大体、あれは不可抗力だろ?」
「うん。でも、ごめん」
「本当にそのことじゃないから大丈夫だよ、音夏」
「じゃあ、どうして怒ったの?」
「…くだらないことだよ」
「くだらなくないから兄さんはあんな態度をとったんじゃないの?」
「はぁ…。音夏は本当にはっきりとものを言うね」
「そうしなきゃ兄さんにはぐらかされるからね〜」
「…わかったよ。話す」
「うん」
「…んーと、まあ、さっき音夏が言ったことも少しは関係するかな」
「?」
「オレは、さ。長男だろう?だから、さっきみたいに後回しにされることがよくあった」
「!」
「元気でやんちゃな弟と少し病気しやすい妹がいたら、両親がそっちに付きっきりになるなんて当たり前で」
「兄さん…」
「オレは何でも1人でできるからさ、放っておかれるのは当たり前なんだよ」
「っ当たり前なんかじゃない!」
「音夏。安静にしていろって、真斗に言われただろ?叫ぶとまた喘息になっちゃうよ」
「…っごめん。それで?」
「それで…だからね、オレは後回しにされるとか、放っておかれるとか、そういう立場なんだなってことは、ちゃんと理解してるんだよ」
「うん」
「そう、理解してるんだ。でも、今日は…大学で少し嫌なことがあってね」
「それを父さんや母さんに聞いてもらいたかったの?」
「まさか。オレはそんなことはしないよ。ただ…」
「?」
「なんて言ったらいいのかな、…ただちょっと、ダディや真斗をからかいたい気分だったんだよ」
「兄さん…」
「ね?くだらないだろう?」
「全然くだらなくないじゃん。兄さん、途中から目を逸らして話してたし。声だって震えてたし」
「…っ」
「ごめんね。私がこの家にもらわれて来なければ、兄さんは放っておかれることはなかったんだよね」
「っ違う!オレはそんなことがいいたい訳じゃない!音夏は、例え血がつながってなくても、オレの大切な妹だからね」
「兄さん…」
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