短編

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山崎くんが水葬された


山崎くんは、この戦いの中で、皆に見送られたのだ。きっと幸せだったに違いない。


真面目に任務をこなしていたからなのかもしれない。


龍くんに、後の事を託して、心残りは無かったのだろう。


死に顔は実に安らかだった。





なら、私は?


心残りは無かった。と言えば嘘になる。





私は、山崎くんが好きだった。





でも、その山崎くんは、私が気持ちを伝える前に死んでしまった。





『君は、去るときも、何も言わずに行っちゃうんだね』





ねぇ、君は、私のことをどう思っていたの?


もし、私が気持ちを伝えていたら、君はどう答えてくれた?


顔を真っ赤にして、照れてくれたりしたのかな?





後悔は、臆病な私自身が招いた結果だから。


それを言ったら、『君は馬鹿だろう』と言って、笑ってくれるのかな?





もし、皆が山崎くんを忘れても、私は覚えてるからね。





今の君に、私の声は届いているの?


届いていたら聞いてほしいんだ。


私の今の素直な気持ち。





『ありがとう。山崎くん。大好きだよ。今も、これからも、ずっと…―――』





愛してる






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