短編
□if...
1ページ/2ページ
山崎くんが水葬された
山崎くんは、この戦いの中で、皆に見送られたのだ。きっと幸せだったに違いない。
真面目に任務をこなしていたからなのかもしれない。
龍くんに、後の事を託して、心残りは無かったのだろう。
死に顔は実に安らかだった。
なら、私は?
心残りは無かった。と言えば嘘になる。
私は、山崎くんが好きだった。
でも、その山崎くんは、私が気持ちを伝える前に死んでしまった。
『君は、去るときも、何も言わずに行っちゃうんだね』
ねぇ、君は、私のことをどう思っていたの?
もし、私が気持ちを伝えていたら、君はどう答えてくれた?
顔を真っ赤にして、照れてくれたりしたのかな?
後悔は、臆病な私自身が招いた結果だから。
それを言ったら、『君は馬鹿だろう』と言って、笑ってくれるのかな?
もし、皆が山崎くんを忘れても、私は覚えてるからね。
今の君に、私の声は届いているの?
届いていたら聞いてほしいんだ。
私の今の素直な気持ち。
『ありがとう。山崎くん。大好きだよ。今も、これからも、ずっと…―――』
愛してる