本棚2

□闇と光
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〜???〜

何度も何度も同じ夢を見る。
私が小さい時の夢。そしてその隣には必ず私と同じぐらいの男の子がいる。私はその子が好きでいつも一緒にいた。でもその男の子は最後には私から離れて行く。 ーーーー君待って!!おいてかないで !!! そこでいつも目が覚めてしまう。

ハァ・・ハァ・・ハァハァ。

「また、あの夢。」
胸がギュッと苦しくなる。
「ねぇいつになったら迎えに来てくれるの?私待ってるよ。」 窓から空を眺める。
雨が降り続けてる今日、何か胸騒ぎが起こりそうでならない。 ーー今日すべてが狂う気がするーー




雨が降っているのに街には人、人人人人で埋め尽くされている
私はボーッと信号が赤から青になるのを見ていた。
信号が青にかわると人が動き出す。そのなかで私も動く。
人とすれちがって行くなか、
「えっ?」そこで見た一人の男の子に目が向く。その男の子は私の夢にでてくる男の子にそっくりだったのだ。私は嬉しくて男の子に手を伸ばすがその手は触れることはなかった。男の子の隣には女の子が一人いた。楽しそうに話す姿はカップルにしか見えなかった。「うっそ・・・・」わたしはその二人にしか目に映らなかった。だから信号が青から赤にかわることに気付くことはなかった。「お嬢ちゃん危ない!!!!」誰かの叫ぶ声が聞こえたがすでに遅かった。私は横から来たトラックに気付かずそのまま跳ねられた。 キキーーーー!!!!
車急ブレーキの音や誰かの悲鳴が私の耳に響いてきた。だが私はその事よりもあの二人が気になる。あっ、振り向いてくれた。一瞬だが私に気付いてくれた気がした。
そのことに喜びを感じるがまた憎しみさえも感じてしまう。
どうして私の隣じゃなくてあの女の隣にいるのか、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い私に気付いてくれない彼が憎い。彼が気付かないのなら私から迎えにいってあげる。そうしたら彼はわたしの物になってくれる。待っててすぐ迎えにいってあげる。ね、ーーーー君。 わたしの意識はそこで途切れた
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