LOVE
□R
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はじめて会ったのは、ほんまは4人での飲み会やなかった。
一方的に見たことはあってん、でもそれを言えなかった。
だって無理やろ?
ちょっと何度か見かけただけで、ええなぁって思ってたなんて、めっちゃきしょいやん、俺。
だからあの日、章ちゃんに電話したら呼ばれた店、歯医者のあの子がいてめっちゃ焦ってん。
一気に緊張して、吐きそうやった(笑)
章ちゃんのしきりで名前を知れた、倫子って言うんや…
愛って方は章ちゃんからなんべんも聞かされてたからな、あんま緊張せーへんわ、章ちゃんに派手なネイルする女や。
急な思わぬ飲み会、彼女がいたこと、名前を知れたこと、そしてなんとなしに俺のことを意識してるん?って態度に自惚れそうになる。
俺から倫子に話しかけたら、ちょっと目をそらしたり恥ずかしそうにしたり…、めっちゃ可愛いんやけど。
もっと仲良くなりたいな、でも嫌がられたらショックやし…
なんて思ってたら、章ちゃんがこの4人のグループLINEつくってん、さすがやな!
あっさり倫子の連絡先を手に入れた、もれなく愛もついてきたけど(笑)
今度のライブも来てくれんねんて、章ちゃんが来て来て言うからやけどな。
章ちゃんは愛にばっか話しかける、倫子も愛ばっか見る、なんかなーこいつムカつく。
なーんて思ったりする飲み会。
いい感じの時間になりお開きになると、俺らで会計。
楽しかったし男が払うことに別に何の違和感もあらへんし、でも愛は割り勘でってしつこい(笑)
平気で奢らせる女より全然いいと思うけど、黙って奢られとけ!とも思う(笑)
タクシー拾って2人を押し込むと、俺は章ちゃんにだけ話そうと決めた。
「なぁ章ちゃん…」
「んー?どーしたん?」
「俺な、ほんまは倫子見たことあんねん。」
「え?そーなん?どこで??」
「昼飯行く店とかな、歯医者から帰る時に見かけたりしててん、ほんでなー…」
「おん。」
「可愛いなー思っててんな…」
「そうなん?え?それ凄ない??」
「うん。今日びっくりしたけど、嬉しかった。好きやと思う。」
今日はじめて話したのに好きやとか頭おかしいんちゃうか思われるかもしれへんけど、章ちゃんは違うから正直に話したんや、ほんなら…
「そぉーかぁー!なんか俺めっちゃ嬉しいんやけど!亮、好きなんかぁー!ええやんええやん!」
そういって自分のことのようにキャッキャしてくれる優しいやつやから。
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