LOVE
□J
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何度も何度も夢にみた。
ふとした時に思い出してた。
大好きな人。
大好きだったにはできなくて、今も俺には大切な人。
3年以上も付き合ってた、俺にはそんな長く付き合ってた彼女ははじめてで、このまま結婚とかって本当は思ってた。
でも捨てれない夢があった、20代のうちに留学したいって事。
本当はさ、おまえと出会わなければもっと早く行ってたんだと思うんだよね。
好奇心で入ったアイドル事務所で、人気は出たけどファンのストーカーがどんどん酷くなって、歌手になるデビューするって夢は諦めて、その仕事を辞めた頃出会ったから。
日本にいることを選んだのは、あの時おまえといたかったから。
だから独学で勉強しながら普通に働いて、それでもいいかなって思ってもいたんだ。
けどさ、幸せだと欲が出た。
後悔したくないと思った。
甘えてもいたのかも、待っててくれるかもとか、泣いて行かないでと言ってくれるかもとか。
でもさ、俺の女は、やっぱそんな女じゃなかったんだよね、だから好きになったんだけどさ。
留学をしたいんだって本気で話したのはアメリカに来る半年前。
あいつはちょっと無理に笑って、「いいんじゃない?」って言った。
それから何度も話をして、背中を押してくれたのはあいつだけど、別れようと言ったのもあいつだった。
クリスマスイブ、仕事終わりにうちで2人で飯食ってプレゼント渡してさ、いい感じの雰囲気だったのに、あいつは笑って別れようと言った。
好きだから待てないって、理由はその一点張り。
自分で決めた事だけど、別れようって言われたことにムカついて悲しくて、無理矢理押し倒して自分勝手にやったのに、次の日の朝俺の好きな朝ごはんを作って起こしてくれた。
いつもみたいな幸せな朝、でもいつもと違うのはおまえが別れのリミットを切った事だ。
それから毎日話し合ったけど、アメリカに行く日で最後にしようとって言われるばかり。
それなら今別れたほうがいいじゃんって思ったよ、でもそれすら嫌な俺はあいつの言葉を受け入れた。
。