LOVE

□J
1ページ/673ページ






何度も何度も夢にみた。


ふとした時に思い出してた。


大好きな人。


大好きだったにはできなくて、今も俺には大切な人。


3年以上も付き合ってた、俺にはそんな長く付き合ってた彼女ははじめてで、このまま結婚とかって本当は思ってた。


でも捨てれない夢があった、20代のうちに留学したいって事。


本当はさ、おまえと出会わなければもっと早く行ってたんだと思うんだよね。


好奇心で入ったアイドル事務所で、人気は出たけどファンのストーカーがどんどん酷くなって、歌手になるデビューするって夢は諦めて、その仕事を辞めた頃出会ったから。


日本にいることを選んだのは、あの時おまえといたかったから。


だから独学で勉強しながら普通に働いて、それでもいいかなって思ってもいたんだ。


けどさ、幸せだと欲が出た。


後悔したくないと思った。


甘えてもいたのかも、待っててくれるかもとか、泣いて行かないでと言ってくれるかもとか。


でもさ、俺の女は、やっぱそんな女じゃなかったんだよね、だから好きになったんだけどさ。


留学をしたいんだって本気で話したのはアメリカに来る半年前。


あいつはちょっと無理に笑って、「いいんじゃない?」って言った。


それから何度も話をして、背中を押してくれたのはあいつだけど、別れようと言ったのもあいつだった。


クリスマスイブ、仕事終わりにうちで2人で飯食ってプレゼント渡してさ、いい感じの雰囲気だったのに、あいつは笑って別れようと言った。


好きだから待てないって、理由はその一点張り。


自分で決めた事だけど、別れようって言われたことにムカついて悲しくて、無理矢理押し倒して自分勝手にやったのに、次の日の朝俺の好きな朝ごはんを作って起こしてくれた。


いつもみたいな幸せな朝、でもいつもと違うのはおまえが別れのリミットを切った事だ。



それから毎日話し合ったけど、アメリカに行く日で最後にしようとって言われるばかり。


それなら今別れたほうがいいじゃんって思ったよ、でもそれすら嫌な俺はあいつの言葉を受け入れた。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ