甘い目眩
□小悪魔な彼女様
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☆明海☆
モールでくれた信五の何気ない言葉は、私にとって愛を感じる言葉だった。
甘い言葉は苦手な信五。あっ、すばると侯隆もかな?(笑)
だけど知ってる、信五のツボをくすぐる自分の顔。
無意識のような計算は好きだからこそのこと、バレてないからいいかな、このぐらいのこと(笑)
それからすぐ海岸が海開きになると、アホな弟はせっかく決まった倫子のバイトを辞めさせた。
そこに倫子を昔口説いてた奴が社員としているのが嫌だと大騒ぎして、結局は倫子が折れて辞めて…、んで何故かすばるの店でバイトをすることになったらしい。
亮がすばるに頼み込んで、愛が手伝う予定だったのを無理矢理ねじ込んだらしい。
とりあえずお母さんと二人でとっちめて、お父さんからも怒ってもらった。
好きなのはわかるけど、もっと相手を信じて自分に自信を持ちなさいって。
そんな騒動があって、秋になったら倫子の仕事なんかないか探してやろうって思う私を、信五は『おまえも亮と倫子に甘いで』って笑うけど、信五も魚の卸し先に色々仕事ないか聞いてるの知ってるし(笑)
バカな私たち、それでも世話やいて楽しんでるんだ。
倫子と愛がすばるのとこ手伝いだして、愛はばあちゃんのスナックを週3手伝いしながらだから、ただ飯ただ酒が給料でいいとか言ってるんだって。
すばるからどう思う?って相談きたからさ、愛はすばるのとこが人を二人も入れる余裕はないのちゃんとわかってんだなぁって、うちのアホな弟のせいで申し訳ないなと。
ひとまずは愛の気持ちをくんで、その他諸々はこっちでも話すって言ったらすばる笑ってた。
『亮、心配しすぎやろ?まぁ倫子ふわふわしとるからなー(笑)』
『あんただって本当は愛がばあちゃんのとこ手伝うの嫌なんでしょ?
『まー、しゃーないやろ、たまに行くし、信じてるから俺は。』
そう言ったすばるが、照れてるであろう事を想像したら浮わついた声になったらしく、電話切られたし。
それからすぐ、週に一度みんなで集まる日。
昼間仕事してると若い観光客が来て会話の内容に思わずあんぐり。
アホすばるはどうやら、あの二人に水着にショーパン、アロハかゆるTで仕事をさせてるらしい。
それを面白がって忠義が店のTwitterとblogに載せたら二人目当てサーファーとダイバーが増えたらしい。
こないだ亮が不機嫌だったのはこれが原因か…、本当アホだこの海の男どもは!!
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