甘い目眩

□海の見える街
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母親がいない寂しさは友達や祖母、友達の家族がうめてくれた。

祖母もそりゃー元気でカラオケスナックをしてたからね、近所の人は良く来ていたしお誕生会やクリスマスは私のためにたくさんの友達を呼んでパーティーをしてくれたりもしたんだ。


明海ちゃんは1つしか違わないのにちょっと寂しいと思う時に何故かぎゅっとしてくれて、それも凄く嬉しかった。


私も田舎暮らしに馴れて楽しくなってくると明海ちゃんの弟の亮ちゃんや、その友達の章ちゃんが入学してまた賑やかになった。

その翌年にはたぁくんが入学して、私たちはそのまま幼なじみとして成長してったんだ。


小学校も中学校も小さくて、学年関係なく過ごす日々。

そのうちに淡い恋を抱くようになると、幼なじみというポジションが私たちの足枷になった。

壊したくない大切な関係と、芽生えてしまった恋心の間に揺れて…

それでもそれを言葉にする事をせずに過ごし、私も高校生になればまた別の恋をして女になり、少しずつ幼なじみとの距離が出てきた気がした。


倫子とはいつも一緒だけど、男の子たちと会う時間は減り寂しくはあるけど、初恋の彼の彼女を見たくないしちょうどいいのかなぁ。


それからまた時はたち、都会への憧れが強くある倫子に便乗して、高校卒業後は都会へ行くために私たちは努力したんだ。

特別な理由があったわけじゃない。

ただそこに行けば全てが変わる気がしたんだ。

倫子も…私と同じ報われない気持ちをここにいたら捨てきれないと思ったのかもしれない。






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