甘い目眩

□好き、ときどき、豪雨
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すばるの元カノと愛が遭遇してしまってからすぐ、俺の誕生日と忠義の誕生日をすばるのとこでやることになった。

なんとなく毎年やってることで、今年は二人もおるし明海と信五の気合に引くわ(笑)


ちょうど俺らの誕生日の真ん中が土曜でな、その日にするとみんな集まってくれて恥ずかしいけど嬉しいもん。

料理もみんなで持ち寄りで信五なんか今朝漁で獲れた魚をごっつい豪華な刺身にして持ってきたり、女の子たちもいろんなもん作ってくれて、そんな様子を相変わらず丸は写真におさめたり。


『これでみんな揃ったんやし記念写真撮ろうや。』


丸が言い出して、酔っ払う前に撮った写真、無意識なのか愛はすばるの隣にいた、昔から同じ位置、俺とすばるの間。

亮と倫子がいつも隣だったのと同じで…、大人になってもそーゆーのって変わらないもんやな。


亮と倫子は付き合ってまだ一ヶ月やっちゅーのにお互いのヤキモチに喧嘩ばかりしとるらしい。

今日も昼間、亮目当ての女がいっぱい来てたとかで喧嘩中らしいわ。

それでもすぐ仲直りするからな、よっぽどやなかったらほっとくのが1番。


でも倫子とくっついた亮は気持ちも落ち着いたのか、ええ顔しとる。

今の仕事だけだと厳しいとこもあるみたいで、実家の手伝いや暇な時期は市場の仕事も手伝って、まっすぐに倫子との幸せに向かってる。

それ見てな、やっぱり亮も弟分みたいで可愛いから安心したんや、いつも俺には当たり強いけど、二人になったり困ったりしたら素直に甘える可愛い奴やからな(笑)


だから後はすばると愛だけなんやけど…

なんて思って回りを見れば、愛は携帯に出ながら外に行くとこやった。

その横顔がなんか気になって、5分しても戻らないからちょっと見に行ってみたら、どうやら電話でもめてるっぽくて、それも愛が困ってる感じでな…

思わず声をかけたら愛はその電話を無理矢理終わらせて、なんでもないように笑うから、『困ったことがあったら言えよ』とは言ったんや、このときにな。


でもまさかあんな感じになるとは思ってなくて、でもそれが大きな一歩になるとはこのときには思うはずも無かった。





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