甘い目眩
□小悪魔な彼女様
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いつものように信五が迎えに来て、集まる日は夜の店は私はお休みで信五と二人チャリで向かうんだ。
倫子の家、喫茶店、章大の家、愛の家とばあちゃんの店、小さな民宿、セブンイレブンを過ぎたら、すばるの店『one』と亮と章大の店『ocean dream』。
来る間に信五に二人の服装とか話すと、信五はただガハガハ笑うだけ。
『すばるが自分から愛にそんな格好させるとは思わんけどなー。』
そう言いながら入った店の中、ここはガールズバーかなんかですか?と思うような二人がいた。
『あんたたち、なんつー格好してんのよ!』
私の声に騒ぐのはアホ二人。
『ねーちゃん、すばるくんに言うてーやぁ。倫子にこんな格好させんねんで?アカンやろ?なー!』
『明海、うちの愛ちゃんにこの服装はアカンて言うてーや、俺の言うこときかんねんもん!』
普段呼び捨てするくせに困ると、ねーちゃんと呼ぶ亮と、何か愛のかんにさわることをしたらしいすばる。
とりあえず、信五と侯隆はノータッチと決め込んだらしくビールを飲みだした。
章大と隆平は忠義と夕飯とつまみ調理中で、真子ちゃんとゆまちゃんは外野で観察、そんな感じ。
どうするか考えてたら、愛が自分から話し出した。
『すーくんが悪いんだよ、倫子にばっかりエロい格好しろとか言うし、セクハラだし、だからムカつくし。すーくんが悪いから私もしただけだもん、私悪くないもん。』
おっと、ツンデレオラオラな愛が激甘えたとか萌えなんですけど!
これは私を含め年上組のダメージは大きいよ、『愛は悪くないねー』ってなっちゃうよ!
しかも最近たまにするらしいと噂の『すーくん』呼びを生で聞けたよレアだよレア!
とか心の中で萌えてると、すばるがデレッとしながらも必死に弁明をしていた。
『ちゃうやんか、あのーそのー、あれや。倫子はそのーそーゆー格好したら似合うんやないかなーってな。』
『私も似合うし。』
『でもほら愛はアカンやんか、そーゆーのしたらな。』
『なんで?なんで倫子にはさせて私はだめなの!!』
『あのーそのー…、おまえがやると俺がアカンねん。ムラムライライラするやろ?』
『そしたら亮ちゃんもムラムライライラすんじゃん!』
『あーー、まーそうかもしれんけど…』
なんだか平行線なままで、もやもやするから聞いてみればようするに愛はただヤキモチをやいているんだ。
すばるが倫子にこんな格好させておけば客が寄り付くはずと、可愛い可愛いと倫子ばかりを褒めて働かせたのがそもそも気に入らないのだと。
私たちは忘れてた、この子は誰よりも独占欲が強くヤキモチやきなことを。
倫子のヤキモチなんかかわいいもんだよ、このややこしい女に比べたら…。
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