ごちゃまぜ

□尊礼
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こんなふうに掌を合わせるのは初めてだった。
裏のない、触りたいと感じた本能に抗わなかった行為。振り払うこともせず、ただじっと重なった手を眺める彼にらしくないなと鼻で笑ってやりたくなったが、私こそ私らしくない事をしている自覚はあるので耐えた。
彼の温度は心地よく、何故だか泣きたくなる。

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