ごちゃまぜ

□グリレ
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「好き」
ここにきて最初に聞いた単語はそれだった。俺としたことが冷静に何がと尋ねる余裕もなく飛行用のピジョットから半分ずり落ちたような格好のまま固まる。こいつに限って愛の告白だとかそんな甘い展開になるとは思ってはないのだが…思ってないのだけども、どこかで期待する俺がいて頭が痛い。
そうなるくらいには目の前の男にずっと好意を抱いていたものだから、これは仕方ないのだと自分自身にいいきかせ、普段の冷静さ(?)を取り戻そうと滑り落ちるように地面に着地して深呼吸。
吸い込んだ空気が冷たすぎて鼻の奥が若干痛いけれど、そんなこと気にしていられない。

「…何が好きなんだよ」少し落ち着いた、しかしまだ普段より速く脈打つ心臓の音にかき消されながらもどうしても言わなきゃならない言葉を喉から押し出す。どうせ俺のことではないのだ、もっと落ち着けと心のなかで復唱しながら返事をまつ。




「グリーンが、好き」

ーーー俺は目の前が真っ白になった(歓喜)

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