ごちゃまぜ

□三角関係
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唇が重なる。そこに俺からの愛はない。
彼からの気持ちは痛いほどに伝わってくるけれど。
こんなことしても俺はお前に惹かれはしないよ、と心の中で静かにつぶやく。
彼だって解っているのだろう。これが何の意味もない、むしろ傷を抉ってしまうほど辛い行為だということは。それでも行動する選択しか彼にはなかったのだ。俺と同じように。
そしてその行為を受け止められることの残酷さも理解しているから、ごめんね、とつぶやいた。それは彼と、俺の想い人への謝罪。凛の泣きそうな顔が更に歪んだ。

君の愛する人を俺はまた傷つける。

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