P4主×P3主

□短いのまとめ
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黙々と地図を書き込む悠の隣に座っていたら、まだこの世界から離れたくない僕を見つけた。これからもずっと彼が隣にいる世界は、どんなに楽しく幸せだろう。
己の為すべきことを忘れたわけではない。ただ純粋に彼といたいと思った。そう、少しだけ思ってしまっただけ。
そんな思いとは裏腹に、帰るための作業は着実に進んでゆく。完成間近の地図が嬉しくとも淋しくて、思わず悠から手帳を取り上げた。
「うん?どうしたんだ」
僕の突然の行動に対して不思議そうに首を傾げる悠に、なんでもないよと平然を装い手帳を返す。その答えにあまり納得できていない様子であるが、それ以上は何も言わずに作業へ戻った。

現実の世界できっと出会える。
そう信じる僕と、ここを離れたら永遠に会えないような、なんとも形容し難い不安が拭えない僕がいる。きっとそのことを悠に話せば、どこからくるかわからない謎の自信に溢れた顔で絶対会えるって言ってくれるだろうけれど、なんだか弱みを握られるような気がしたから、絶対に言わない。
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