黒バス
□おもい。
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「…ねえ、すき。」
俺と伊月、二人しかいない部室。
先ほどまで新しいダジャレを思いついたとかでテンションが比較的高かった伊月が急におとなしくなりそうつぶやいた。
俺は何度こいつから俺に向けてこの単語を聞いただろうか。
瞬時に考えてみたが覚えがない。
他の部員からはよく投げかけられる単語。それは大半ふざけてて、調子よく発されてくるものなのだがそれでも、もしこいつに言われているなら忘れるわけがない。自身を持って言える。
なぜなら俺はずっと片思いをしているのだから。他でもない、伊月に。
「いきなりどうした」
不自然に空いた間に気づいてないようにしていまだに背を向けたままの伊月にはなしかける。
なにがすきなんだ、ねぇって誰にあてていったんだ・・・言いたいことはたくさんあるのにいえない俺は本当にヘタレなのかもしれない。