★星箱

□シルクスのこえ
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私の主(マスター)は、私を好きだと言ってくれる。


この黒いドレスも、上に付いているネコ耳も、腰から出ている黒い尻尾も。
全部全部「大好き」だって言ってくれる。


マスターはバトルが好きで、たまに私をバトルフィールドに連れて行ってくれる。
私はマスターに答える為に、精一杯バトルをする。


でも…あの時出会ってしまったんだ。


兎の耳を付けた背の高いアバターが私と並んだ時。
私は負けると思った。


頑張って…たくさん頑張ってたけれど、最後はエリアアウトで負けてしまった。
場外に吹っ飛ばされた私を、マスターは心配そうに見ていた。


…答えられなかった。
マスターの意思に、私は答えられなかった。


すごく悔しくて、私は相手のアバタ―を睨み付けた。


でも、その相手は…[キング・カズマ]は微笑んでいた。


あの…バトルの絶対王者の笑顔を見た時に、私はまた負けたと自覚した。


負けても笑っていられるなんて…


私は自分を恥じた。
そしてもう一度キング・カズマに目線を合わすと、会釈して私は会場を飛び出した。


画面の外では、マスターが「惜しかったね」とか「シルクス頑張ってくれたね」とか…。
嬉しい言葉を投げ掛けてくれるマスターが、私にはいる。


だから、私は大好きなマスターの為にもっと頑張る。


大好きなマスターが、ずっと、ずっと笑顔で居られるのなら。


私はどんなことにも全力で頑張れる。

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