★星箱
□突っ込み役、災難。
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「で、それアンタの彼氏さんからの連絡事項なの?」
私の言葉に「そうだよ〜」と能天気に言う千早に殺意が芽生えたのはどうしてだろうか。
どうしてか?そんなもの決まってる。
「…なんで私が行く事になってんだ!!」
電話口で叫ぶと「…いっちゃん、耳…痛い」と半泣きの千早の声が聞こえた。
それに「あー…ごめん」と謝って、さっきよりも声を落として言った。
「…そもそも、そっちの人達の集まりになんで私が行かなくちゃいけないのさ。
私部外者じゃん。関係無いじゃん。なんでよ?」
「佳主馬くんのおじいちゃ…あ、万助おじさんがどんな子か会ってみたいって!」
なんであんたの彼氏のじいちゃんに指名受けてんだよと突っ込みたかったが、どうせ言った所で理解される事は無いんだろうなと思って「あっそ」と素っ気なく返した。
「それに、夏希…佳主馬くんの従姉のお姉ちゃんで私の高校時の友達も会ってみたいって言うからつい…。」
「つい?」
「私が誘うって言っちゃったの…。」
電話の奥で「ごめんね」とか「怒った…?」と不安そうに呟く千早に、私がこれ以上言えるかと言われれば…
……言える訳がないじゃないか。
私は千早に気付かれないようにため息をつくと。
いつの何時にどこに待ち合わせかを聞いて電話を切った。
そして元凶である千早の彼氏…池沢佳主馬の携帯に掛け直した。