★星箱

□四日目!
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「…………え。」


納戸で目覚めた時。
叫ばなかった俺はすごいと思う。


「(なんで千早さんこんな所で…。)」


そこまでで俺は昨日の惨状を思い出した。
ハロウィンだからとか何とかで、皆が仮装してたんだった。
…俺も夏希姉ちゃんやおばさんに無理矢理キング・カズマの仮装させられて。
それから千早さんもシルクスの…。


ふと思って、右肘に感じる柔らかいものに驚いて手を引っ込めた。



昨日そのまま寝ちゃったんだ…。
て言うか夏希姉ちゃん…せめてお兄さんとか!
千早さん回収してくれれば良かったのに!


「…ん。」


「!!」


寝返りを打って、千早さんはまた俺の手を探し当てると。
満足そうに微笑んでまた腕を抱え込んだ。


…はぁ。


「危機感、無いんだから。」


これが単純な俺等の世代の男なら、ちょっとした悪戯をしそうなもんだけど…。


「千早さんが俺から離れて行くのはなさそうだし、まだ…我慢できる。」


そう自分に言い聞かせて、俺は布団を抜けた。
腕を退けると「ん〜、やぁ」と不満そうな声が聞こえたがあえてスルーする。


「これ以上可愛くなられたら我慢するのも難しくなるから。
今俺が出せる手って言えばこれくらい。」


額に優しくキスを落とすと、千早さんの表情は見る間に安らかになって行った。


…綻んだ千早さんの表情に、俺も安堵する。


千早さんが来て4日目の朝。
今日はゆっくり出来るといいんだけど。


俺は未だ寝ているであろう親戚一同に「今日は平和で居てよね」と願った。
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