★星箱
□酔っ払いver.千早
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くらくらくらくら。
眠たくて暖かくて。
なんだかぽやぽや。
音が遠くに聞こえたり、
誰かの声が聞こえるけど…
……なんだろう?
「…千早、大丈夫?」
「あー…佳主馬、くん。」
ぼーっとしている目で、正面に見える佳主馬くんをしっかりと捉える。
未だ健在の前髪を避けて、佳主馬くんの両目をじっと見る。
「…あは、やっぱり格好良いや。」
それに満足して、私は微笑む。
それに顔を赤くした佳主馬くんを見ながら、私はクスクス笑った。
楽しいお酒は、佳主馬くんがそばに居てるからこそ楽しいお酒になる。
夏希やいっちゃんと飲む時も楽しいけど……何よりも誰よりも、佳主馬くんのそばで飲むお酒はとても美味しい。
「佳主馬くーん」
「ん?」
まだ若干赤い頬を隠しながら、佳主馬くんが振り向く。
私はその肩に乗り掛かりながら、佳主馬くんの頬にキスした。
「…あのねぇ、だーいすき!」
「千早…ッ!?」
「えへへ」
首根っこにぎゅうぎゅうとくっ付いて、うんと甘える。
お酒が入っている時は、めいっぱい甘えるんだ。
だって、好き!って気持ち、素直に出せるから。
その時にしたいと思った事、全部する。
案の定佳主馬くんは顔を赤くしているけど、私にとってはそれも嬉しい。
「…千早、酔い過ぎ」
「すきすき、だーいすき」
「………酔い過ぎ!素直過ぎ!」
顔をさらに赤くして、私の顔を右手で押さえつける。
「…んー」
「もー…タチ悪いなぁ…ほんと…」
「…愛してる」
「えっ」
ぽそりと呟いた言葉は佳主馬くんに届いたようで、聞き返す様に振り返った。
瞬間、私は佳主馬くんの頬に再度キスをした。
それに驚いた様にした佳主馬くんは、お返しとばかりに啄ばむ様なキスをくれた。
「……ふぁ…」
「……可愛い。千早。」
「…だぁい、すき。」
「俺は、愛してる。」
その言葉が嬉しくって、こそばゆくって、私は笑った。