★星箱

□タンポポ
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「…あ。佳主馬くん、たいへーん。」


「なに?」

少し焦った様に駆け寄って来た佳主馬くんに「そんなに大事って訳じゃないんだけどねー」と笑って、足元に咲いている綿毛を撫でた。

白い綿毛が集まったそれは「タンポポ」だ。
もうこんなに暖かくなって来たのかと、私は呟いた。

「そろそろまた、向こうで集まろうって話しも出てるよ。」


「もしかして…ピクニックの話し?」


私がそう聞くと「あれ、もう聞いてたの?」と不思議そうに首を傾げた。


「提案者にね。」


「ああ、夏希か。」


佳主馬くんも笑う。


「いいねえ、ピクニック。
そう言えば夏希とも最近は遊びに行って無いな〜。」


「最近は詰め込んでたからね。」


佳主馬くんの言葉に笑って頷いて、私はタンポポを一つ摘む。
ふーっと息を吹きかけると、白い綿毛達は空気に乗って散り散りに飛んで行った。

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