ぬこといっしょ。
□ぬっこぬこにしてやんよ!
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飯沼奈緒子―――25歳、ニート。
外はいい天気だけど、そんなの関係ない。
今日もグダグダゴロゴロしてます。
「あ"ー…やる気しねぇぇぇぇ…」
…朝の第一声がこれだ。
毎朝この調子なのだから、奈緒子には正直呆れる。それでも我の主か貴様…
「おい、奈緒子、起きぬか。日輪はとうに顔を出しておるぞ」
顔の前まで行ってやれば奈緒子はうっすらと目を開け、かと思うとこれでもかと言うほどに目を開き、我に抱き着いてくる。
「くぁー!おはようナリ!マイエンジェル!疲れも眠気も吹き飛ぶわ!!」
「ちっ…力が強いぞ!我が窒息してしまうではないか!!あとどうせなら撫でてくれ」
「あーごめんねごめんねー。うい奴めーご希望通りナデナデしてやろう」
奈緒子はベットの縁に座り我を膝の上に乗せると、耳を撫でたり尻尾を触ったりしてくる。
くすぐったいが、こやつに撫でられるのは好きだ。気持ちがいい。…だが、尻尾を触るのはやめろ!!
「むぅ…」
「可愛いー可愛いよー私の天使ナリーやっぱ可愛いは正義だよね!」
「奈緒子…もっと…」
「はい喜んでぇぇぇ!!」
奈緒子が我を撫でるスピードを上げた時だった。
「奈緒子さーん、おはようございます…あーっ!ナリさんずるいです!一人だけ!」
「奈緒子ー俺らも俺らも!!」
邪魔が入った。我と同じく奈緒子に飼われるぬこである、ツルと馬鹿チカが。
……折角思う存分撫でて貰っておったというに…
「おー。チカ、ツル、おいでー」
「はーい!」
「ナリごめんねー、ちょっと肩の上に移動してくれる?」
「………フンッ」
言われるがままに肩の上に移動すれば、先程まで我がいた場所に二匹が入る。
そこは我の場所だぞ貴様ら!!
「そーらもふもふー」
「きゃー!」
「ちょっ、くすぐってぇよー!」
奈緒子の膝の上ではしゃぐ馬鹿チカとツル。憎たらしい。我は何もして貰っておらぬではないか!
こやつは我のものぞ!
「もふもふもふもふー……あれ、何してるのナリ」
「……マーキングぞ」
匂いを移すかのように肩の布地にすりすりと顔を当てる。
奈緒子の匂いがする…
「ああもう!もぉぉぉ可愛いぃぃぃぃ!
腕が二本しかないのに私は誰を撫でればいいの!?」
「はいはいっ!私を撫でて下さいっ!」
「ちげぇよ!俺俺!!」
「喧しい!奈緒子は我だけを撫でておればよいのだ!!」
「もう…ヤバイですぱないです…。私幸せです…。
もうみんなまとめて抱き締めてやる!!」
「「きゃー!」」
「うい奴らよー…」
二匹も一緒なのが納得いかないが、奈緒子に抱き締められたので気分がよかったから、今回はまぁよいだろう。
だが、今度からは我だけを愛でろよ、奈緒子。
((私、すでにぬっこぬこにされてるね!分かります!))
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