日常の外側
□ぽっきぃげぇむ
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※幸村の本性剥き出しです。
「皆の衆!ポッキーゲームというのを知ってるか?」
『ぽっきぃげぇむ?(Pocky game?)』
一人だけ発音いいな。
まぁ戦国武将が知ってる筈無いか
ならば教えてしんぜよう
「ポッキーゲームって言うのはーこのポッキーって言う菓子をだなー」
説明しながら、たまたまそこにいた元親の口にポッキーを突っ込む
「何すんだッ…お、これうめぇな」ボリボリ
「まだ食うな!説明途中なのに!………今度は食べないでよ」
元親に食べられてしまったので、もう一本突っ込んだ
「食べるなよ」という念を押して。
「えー、説明戻るね。このポッキーって言う菓子の片側を一人がくわえて、もう一人が空いてるもう片方をくわえるの」ハムッ
私は元親にくわえさせたポッキーのもう片方をくわえた
幸村が「破廉恥!」とかいったけど気にしない。
佐助が「鬼の旦那代わって!」とかいったけど気にしない。
っていうか佐助、それだと元親と間接キスになるぞ
「ほひたらー、ろうほうからたべふふへるの。ほとちかーあんははうごいただへだからね」
(訳:そしたらー、両方から食べ進めるの。元親ーあんたは動いちゃだめだからね)
「何言ったか分かんないよ佐和ちゃん。あっこれ美味いな〜」ボリボリ
「ふーな!へーじにほほはひ!」
「はて、何を言っておるのか我には皆目検討がつかぬ」ボリボリ
「はぁひひあ、ひふよー」
そう言うなり、私はポッキーを食べ始める
外野五月蝿いけどまぁいいや。
「ちょっ…待て佐和!」
「はひはへーん」ボリボリ
はい元親とキスまであと2cmー
というところでポッキーをバキッと折る
「(モグモグ)こんな感じで、キス直前のところでポッキーを折るんだ。
キスするのが先かポッキー折って阻止するのが先かっていうゲームだよ(ゴックン)」
成程。と小十郎さんが呟いた
元親はホッとしたような、ちょっと残念そうな表情をする
「という訳で、誰かやってみない?」
「はい!俺様!俺様やる!」
「佐助はオカンの皮被った狼だから駄目。………うーん、幸村やってみない?」
「なっ…何故某が!?」
「ちょっと、佐和ちゃんオカンの皮ってなn「一番危険なさそう」ちょっと話聞いt「そこまでいうなら…分かったでござる」旦那ぁぁぁぁ!!駄目だよ佐和ちゃん!旦那はこう見えても忠犬の皮被った狼だから!!」
「忠犬の皮被った狼って何。わけわからん」
「オカンの皮被った狼の方がわけわからないから!!」
五月蝿いぞ、オカン。
口論の間にセッティング完了ー
「じゃあ、ポッキーゲームスタート!」
ポッキーをカリカリと食べ進める私に比べて、中々進もうとしない幸村。
こりゃ楽勝だな。
………と思った次の瞬間。
―――チュ、
という音がして、私の唇に温かい何かが当たる
何があったんだと思ったら、幸村の目を閉じた顔が近くにあったのが分かった
「………あー、キスしちゃったかー。残念、私の負けー」
「…………………………(ハッ)もっ………申し訳ござらぬ佐和殿ォォォォ!!ぐわぁぁぁぁ破廉恥ぃぃぃぃ!!」
「うーん、別に減るもんじゃないからいいけど。じゃあ次誰やる…ってああ!!あんたら全部食ったな!」
私は身悶える幸村を放置して、元就と慶次を叱りにいった
「………ふ、計算通りだ」
「やっぱ計算してたなあんた!」
ぽっきぃげぇむ
(彼が身悶えるふりして樮笑んでいたのを、
私は知らない)
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