日常の外側
□オカンとアイスと幸運な一日
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※佐助目線
※アンケの要望より。
何時になったら、佐和ちゃんは俺をオカンって呼ばなくなるんだろ。
「あ、いたいた。オカーン!」
……ほら、今だって。
「あー、はいはい。俺様オカンじゃないから。それより、何の用?」
「いやさ、私とデートしてほしいなー、て」
「でぇと…?」
聞き慣れない単語が出てきた。まぁ多分南蛮語の一種なんだろうけど。
「あ、そっか。えーと何て言うのかな〜その……取り合えず、一緒に買い物行きたいって話なんだけど」
「あー、もしかして昨日旦那達が『あいすなるものが食べたいでござる佐和殿ォォォォ!!』とか言ってたからかな?うん分かった。そんじゃ旦那達に早く仕度するよう言わないと」
「?何言ってんの。
今日は私と佐助の二人だけで行くんだよ」
その言葉に、俺の思考回路は凍結する。
え、今なんて?
何か嬉しい単語が聞こえたんだけど。
俺の幻聴?
「…佐和ちゃん、今なんて?」
「?『何言ってんの』」
「その後ろ」
「『今日は私と佐助の二人だけで行くんだよ』」
「………えっ?ちょっえっ?マ、マジで!?」
「うんマジ。買う量少ないし、アイス直ぐに溶けちゃうから足速い佐助だけでいいかな〜…って聞いてないね、これ」
そうです、聞いてません。佐和ちゃん何か言ってたけど俺全く聞いてませんでした!!サーセン!
でもそんなん別にいいや!これ逢い引きじゃない!?逢い引き!!しかもわざわざ佐和ちゃんからご指名貰えるとか何のご褒美!?
ありがとう錦戸の旦那!
―その頃の錦戸さん
「ぶえっくしょん!!」
バキッ
「あー、畜生また手ぇ狂った…何だよもう!こんなもの!こんなもの!」
ガンガン
こうして元の時代に帰る日は遠退いて行くのでした。
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