日常の外側
□我が家の買物事情。
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※ほぼ会話文
7月某日、決戦の日がやって来た。
「さ、準備はいい?佐和ちゃん」
「……はっ、愚問だね!」
「……何だ、何が始まると言うんだ?」
「……??」
「そういえば、貴様らは初めてだったな」
「まぁなんつーか…戦?」
「!?それはどういう────」
───カランカラーン!!
『タイムセール開始です!トイレットペーパー8個入り、お値段なんと500円!!お一人様一個限りとなっておりまーす!!』
ワァァァァァ
ズドドドド
「そこどけぇぇぇぇ!!」
「ほら通した通したァ!!」
ワァワァ
ギャーギャー
チョット!イマワタシノトッタデショ!!
ウッサイワネ!
「……なんだこれは」
「timesale。佐和曰く、"主婦にとっての戦場"なんだと」
「…なら、何故俺達が…ここにいる必要が、ある?」
「すぐにわかるって〜…ホラ来た」
ヒュウゥゥゥ
(宙を舞うトイレットペーパー八個入り×8)
「わっ!…とと」
「落とすなよー石田、風魔」
「佐和と猿飛に殺されるぞ」
「………なんだこれはァァァァァ!!!?」
「さっき言ってたろ?『お一人様一個限り』って」
「人数いた方が持つ分が増えてより得をする、というわけでござる」
「まぁつまるところ、俺らは人数合わせだ。言っとくが、このたいむせぇるがある度駆り出されるからな」
「今のうちに慣れとくこったな」
「「…………」」
タイムセールにおける我が家の常識
(いやー、大漁大漁!!)
(みんなもごくろーさん)
(おう。次は何時だ?)
(三日後に○○デパートで紳士服)
(どんだけ持ってってもみんな3000円だってさ。絶対行かないとね)
(さあ、次も頑張るぞー!!)
《おー!!》
(……(これに慣れなければいけないのか…))
end.
三成目線っぽい